第25回 言語聴覚士国家試験 第194問
聴力検査第25回
閾値検査はどれか
a.ABR
b.ASSR
c.VRA
d.SISI
e.ABLB
1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — a,b,c
閾値検査とは、被検者の聴覚の最小可聴音圧(聞こえる最小の音)を測定する検査です。ABR、ASSR、VRAはいずれも音への反応(脳波・行動反応)から閾値を推定するため、客観的または半客観的な閾値検査に分類されます。一方、SISIとABLBは超閾値検査で、被検者が感じる音の大きさや違いを判定する検査であるため、この3つが正答です。
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【各選択肢の解説】
a. ABR(聴性脳幹反応)
✅ 正しい。脳幹の電気活動を記録する客観的な検査で、音刺激に対する閾値を判定できます。新生児スクリーニングでも用いられ、全年齢層で有用です。
b. ASSR(聴性定常反応)
✅ 正しい。変調音(周波数変調された音)に対する脳波反応を測定し、周波数別の閾値を推定できます。ABRより周波数特性の評価に優れており、新生児から成人まで適用可能です。
c. VRA(視覚強化聴力検査)
✅ 正しい。生後6ヶ月~3歳頃の乳幼児が、音刺激に反応してアニメーション等を見る行動を利用して閾値を測定する半客観的検査です。乳幼児の行動聴力検査として標準的です。
d. SISI(Short Increment Sensitivity Index)
❌ 誤り。超閾値検査です。閾値の20dB上の音に対して、1dBの微小音圧増加を検出できるか判定する検査で、閾値そのものを測定しません。感音難聴の有無や部位診断(中枢性難聴の診断)に使用します。
e. ABLB(Alternate Binaural Loudness Balance)
❌ 誤り。超閾値検査です。両側の聴力差がある場合、音の大きさが等しく聞こえる音圧レベルを比較する検査で、音響外傷や後迷路性難聴の診断に用いられます。閾値ではなく「大きさ」を判定します。
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【試験対策ポイント】
聴力検査の分類:
| 検査 | 分類 | 対象音圧 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| ABR | 客観的閾値検査 | 閾値 | 新生児スクリーニング・脳幹機能評価 |
| ASSR | 客観的閾値検査 | 閾値 | 周波数別閾値・乳幼児評価 |
| VRA | 半客観的閾値検査 | 閾値 | 生後6ヶ月~3歳の乳幼児 |
| 純音聴力検査 | 主観的閾値検査 | 閾値 | 成人一般診療 |
| SISI | 超閾値検査 | 閾値+20dB | 感音難聴の部位診断 |
| ABLB | 超閾値検査 | 閾値+可変 | 両側聴力差の評価 |
| 語音明瞭度検査 | 超閾値検査 | 閾値+20~30dB | 神経学的部位診断 |
重要否定知識:
- SISIとABLBは「微小音圧変化」「両側の大きさ」を評価するため、閾値検査ではない
- VRAは「主観的」検査ではなく「半客観的」検査(乳幼児の行動反応を利用)
- ABRとASSRの最大の違い:ASSRは周波数特性の評価に優れている