STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第25回 言語聴覚士国家試験 第195問

耳鼻咽喉科学第25回
迷路を刺激する検査はどれか a.回転刺激検査 b.温度眼振検査 c.注視眼振検査 d.重心動揺検査 e.前庭誘発筋電位検査(VEMP) 1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — a, b, e 迷路(前庭器官)を直接刺激する検査は、回転刺激検査(角加速度刺激)、温度眼振検査(温度刺激による内リンパ液の流動)、VEMP(前庭器官の固有感覚受容器を刺激)の3つです。これら3つはいずれも前庭系に対する物理的刺激を加えるもので、迷路機能を評価する標準的な検査です。 --- 【各選択肢の解説】 a. 回転刺激検査 ✅ 正しい。回転椅子による角加速度刺激が前庭半規管に直接作用し、内リンパ液の流動を引き起こします。前庭脊髄反射(眼振)と前庭脊髄反射(重心)の両方を評価できる迷路刺激検査の基本です。 b. 温度眼振検査 ✅ 正しい。温水または冷水を外耳道に注入することで、内リンパ液の温度変化により密度差を生じさせ、半規管を刺激します。メイン反応であり、迷路への物理的刺激として最も古典的です。 c. 注視眼振検査 ❌ 誤り。これは患者に視標を注視させて眼振の有無を観察する検査で、迷路を刺激するのではなく、既存の眼振を検出する検査です。中枢神経系の目的運動系を評価するもので、前庭器官への刺激は含みません。 d. 重心動揺検査 ❌ 誤り。フォースプレートの上での立位姿勢を記録し、重心移動を分析する検査です。迷路機能の結果(姿勢制御)を評価しますが、迷路そのものを刺激する検査ではありません。迷路と脊髄、小脳を含む統合的なバランス機能評価です。 e. 前庭誘発筋電位検査(VEMP) ✅ 正しい。頭部への加速度刺激(音刺激や振動刺激)により、卵形嚢(VsEMP)または球形嚢(cVEMP)の固有感覚受容器を刺激し、筋電図反応を記録します。迷路器官(前庭器官)の最も末梢の感覚受容体を直接刺激する検査です。 --- 【試験対策ポイント】 迷路刺激検査と前庭機能評価検査の区別 | 検査 | 刺激方法 | 対象臓器 | 分類 | |---|---|---|---| | 回転刺激検査 | 角加速度 | 半規管(内リンパ液) | 迷路刺激 | | 温度眼振検査 | 温度変化 | 半規管(内リンパ液) | 迷路刺激 | | VEMP | 音刺激・振動 | 卵形嚢・球形嚢 | 迷路刺激 | | 注視眼振検査 | 視覚刺激 | 眼運動制御系 | 観察検査 | | 重心動揺検査 | 姿勢保持 | 統合的バランス機能 | 機能評価 | 重要な区別:「刺激を加える」 vs 「反応を観察する」 - 迷路刺激検査:何らかの物理的エネルギー(回転・温度・音・振動)を加える - その他の検査:迷路刺激ではなく、迷路機能の結果を測定する VEMP研究における分類(2024時点での主流) - cVEMP(頸部):卵形嚢→胸鎖乳突筋。下前庭神経経路 - oVEMP(眼周囲):球形嚢→上直筋・下斜筋。上前庭神経経路
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