STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第25回 言語聴覚士国家試験 第20問

呼吸系第25回
呼気時に喘鳴を生じる疾患はどれか
  1. 1.声帯結節
  2. 2.声帯瘢痕
  3. 3.声帯白板症
  4. 4.仮性クループ ✓
  5. 5.片側性反回神経麻痺

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — 仮性クループ 仮性クループ(急性喉頭気管炎)は、ウイルス感染による炎症で声帯下方(声帯下腔)が腫脹し、呼気時に特徴的な喘鳴(stridor)を生じます。喘鳴は気流が狭窄部位を通過する際の乱流音であり、呼気時に顕著になることが本疾患の臨床的特徴です。一方、選択肢1~3は音声機能に障害をもたらしますが喘鳴は生じず、5は片側麻痺であるため喘鳴をきたしません。 --- 【各選択肢の解説】 1. 声帯結節 ❌ 誤り。声帯の過度な酷使(喉頭の反復外傷)により生じる良性腫瘍で、嗄声の原因となります。しかし気流の狭窄はないため喘鳴は生じません。 2. 声帯瘢痕 ❌ 誤り。声帯の瘢痕化により可動性が低下し嗄声をきたしますが、気道狭窄による喘鳴は生じません。喘鳴は異常音の本質的な原因(気流乱流)が欠けています。 3. 声帯白板症 ❌ 誤り。声帯の白色上皮変性で、悪性化リスクがある前がん病変です。嗄声は生じますが、気流狭窄による喘鳴は典型的ではありません。 4. 仮性クループ ✅ 正しい。RSウイルスなどのウイルス感染により声帯下腔が著しく腫脹し、気道が狭窄します。呼気時に気流が狭い部位を通過する際の乱流音が喘鳴として聞こえます。犬の鳴き声に似た咳(ケンケルと称される)も特徴的です。 5. 片側性反回神経麻痺 ❌ 誤り。片側性では声帯が内転位で固定され、気道狭窄は軽微です。気息性嗄声は生じますが、呼気時喘鳴はきたしません。両側性でも両声帯が中央に来ない限り喘鳴は顕著ではありません。 --- 【試験対策ポイント】 喘鳴(stridor)と嗄声の鑑別 | 疾患 | 気道狭窄 | 喘鳴 | 嗄声 | 呼吸困難 | |---|---|---|---|---| | 仮性クループ | あり(声帯下腔腫脹) | あり(呼気時) | あり | あり | | 声帯結節 | なし | なし | あり | なし | | 声帯瘢痕 | なし | なし | あり | なし | | 声帯白板症 | なし | なし | あり | なし | | 片側反回神経麻痺 | なし | なし | あり(気息性) | なし | 重要用語 - 喘鳴(stridor):気流が狭窄部位を通過する際の乱流音。呼吸音聴診で異常音として聞こえる - 仮性クループの臨床像:犬の鳴き声様咳、唸るような喘鳴、呼吸困難、典型的には夜間の急性発症 - 声帯下腔腫脹の機序:ウイルス感染による粘膜下の炎症性浮腫。この部位が狭いため腫脹の影響が大きい
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