第25回 言語聴覚士国家試験 第21問
聴覚系第25回
正しいのはどれか
- 1.耳管は内耳圧の調整をしている
- 2.血管条は蝸牛の鼓室階外側にある
- 3.外有毛細胞の不動毛は蓋膜に接していない
- 4.蝸牛の鼓室階は内リンパ液で満たされている
- 5.蝸牛で高音にもっともよく反応するのは基底回転である ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 蝸牛で高音にもっともよく反応するのは基底回転である
蝸牛は周波数の位置コード化を行い、高音は蝸牛の基部(基底回転)の狭い膜領域で共振します。一方、低音は頂部(頂回転)で最大反応を示します。これはベーシル膜の物理的特性(基底部は狭く硬い、頂部は広く柔軟)に由来します。
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【各選択肢の解説】
1. 耳管は内耳圧の調整をしている
❌ 誤り。耳管は中耳と咽頭を連絡し、「中耳圧」の調整が役割です。内耳圧の調整は前庭水管が担当します。内耳圧の亢進は内リンパ水腫をきたし、メニエール病の原因となります。
2. 血管条は蝸牛の鼓室階外側にある
❌ 誤り。血管条は蝸牛の「前庭階外側」に位置しており、内リンパ液を産生する重要な組織です。鼓室階外側には血管条はありません。蝸牛は内リンパ液で満たされた前庭階と、外リンパ液で満たされた鼓室階・前庭階の層状構造です。
3. 外有毛細胞の不動毛は蓋膜に接していない
❌ 誤り。外有毛細胞の「不動毛」(最外側の太い毛)は蓋膜に接しており、これが蓋膜への押し付けを通じて外有毛細胞の運動を制御します。内有毛細胞の不動毛は蓋膜に接していませんが、外有毛細胞は異なります。
4. 蝸牛の鼓室階は内リンパ液で満たされている
❌ 誤り。鼓室階は「外リンパ液」で満たされています。内リンパ液は前庭階のみを満たし、血管条から産生されます。この二液系の構造は内耳の機能に不可欠です。
5. 蝸牛で高音にもっともよく反応するのは基底回転である
✅ 正しい。ベーシル膜の周波数地図化により、基部(基底回転)は高周波(高音、20kHz付近)に最大反応し、頂部(頂回転)は低周波(低音、100Hz付近)に最大反応します。これは基部の膜が狭く硬く、頂部が広く柔軟であるという物理的特性による。
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【試験対策ポイント】
内耳構造と液体分布(最頻出)
| 部位 | 液体 | 産生部位 |
|---|---|---|
| 前庭階 | 内リンパ液 | 血管条 |
| 前庭階外側 | 血管条の位置 | — |
| 鼓室階 | 外リンパ液 | 卵円窓(アブミ骨底)から |
| 内耳圧調整 | 前庭水管 | — |
蝸牛の周波数地図
| 部位 | 周波数 | 膜の特性 |
|---|---|---|
| 基底回転(基部) | 高音(20kHz〜) | 狭い・硬い |
| 中央部 | 中周波 | 中程度 |
| 頂回転(頂部) | 低音(〜100Hz) | 広い・柔軟 |
頻出な誤りポイント
- 耳管:中耳圧調整(内耳圧ではない)
- 蓋膜:外有毛細胞の不動毛は接着(内有毛細胞の不動毛は非接着)
- 血管条:前庭階外側(鼓室階ではない)
- ベーシル膜の周波数