STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第25回 言語聴覚士国家試験 第24問

臨床神経学第25回
ワレンベルグ症候群でみられないのはどれか
  1. 1.舌下神経麻痺 ✓
  2. 2.構音障害
  3. 3.嚥下障害x
  4. 4.温痛覚障害
  5. 5.小脳失調

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 舌下神経麻痺 ワレンベルグ症候群は延髄外側梗塞であり、損傷される構造は「外側延髄の神経核と線維」です。舌下神経核は延髄内側に位置するため障害されず、舌下神経麻痺はみられません。一方、他の4項目はすべて延髄外側の構造障害で説明できます。 --- 【各選択肢の解説】 1. 舌下神経麻痺 ❌ 誤り。舌下神経(Ⅻ)核は延髄内側に位置するため、ワレンベルグ症候群では損傷されません。ワレンベルグ症候群は「外側延髄梗塞」であり、内側の構造は温存されます。 2. 構音障害 ✅ 正しい。迷走神経背側核(Ⅹ核)損傷により咽頭喉頭筋が麻痺し、構音障害(特に鼻咽頭閉鎖不全による開鼻声)が生じます。嚥下障害と同じ機序です。 3. 嚥下障害 ✅ 正しい。迷走神経背側核(Ⅹ核)および孤束核損傷により、咽頭喉頭筋の麻痺と嚥下反射の障害が生じ、嚥下障害が顕著です。 4. 温痛覚障害 ✅ 正しい。三叉神経脊髄路核(顔面の温痛覚中枢)と脊髄視床路(体幹・四肢の温痛覚経路)が損傷され、特徴的な「顔面と対側身体の温痛覚分離型障害」が生じます。 5. 小脳失調 ✅ 正しい。下小脳脚(延髄と小脳を結ぶ線維)の損傷により、同側小脳症状(協調運動障害、眼振など)が出現します。 --- 【試験対策ポイント】 ワレンベルグ症候群の神経学的局在診断: | 障害部位 | 神経核/線維 | 症状 | |---|---|---| | 延髄外側(梗塞領域) | 迷走神経背側核 | 嚥下障害・構音障害 | | 三叉神経脊髄路核 | 顔面温痛覚障害(同側) | | 脊髄視床路 | 体幹・四肢温痛覚障害(対側) | | 下小脳脚 | 小脳失調(同側) | | **延髄内側(温存)** | **舌下神経核** | **被害なし** | ワレンベルグ症候群の臨床症候は「Wallenberg症候群=外側延髄梗塞」と明確に結びつけ、内側構造は保たれていることを常に意識する。舌下神経麻痺が出現したら「異なる病変」を疑う。
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