第25回 言語聴覚士国家試験 第29問
心理測定法第25回
日本国民についての調査を行うことを仮定したとき、正しいのはどれか。
a.調査する対象を一部の国民のみに限定するのは標本調査である
b.国民全員を対象とするのは単純無作為抽出である
c.ランダム数列を用いて作り出したマイナンバーによって調査対象者を選び出すのは層化抽出(層別抽出)である
d.各年齢ごとに調査対象を選び出すのは単純無作為抽出である
e.まず都道府県を選び、次に市町村を選び、そこに住んでいる人から調査対象者を選び出すのは多段階抽出である
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — a,e
調査研究における標本抽出法を正しく理解することが試験で頻出です。本問は母集団の定義、各抽出方法の特徴を区別する問題です。正答はa(標本調査の定義)とe(多段階抽出の定義)の2つが正しい組み合わせです。
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【各選択肢の解説】
a. 調査する対象を一部の国民のみに限定するのは標本調査である
✅ 正しい。標本調査とは、母集団全体の一部(標本)を調査対象とする方法です。全国民を調べるのではなく、その一部を選んで調査するため、標本調査の定義そのものです。
b. 国民全員を対象とするのは単純無作為抽出である
❌ 誤り。全員を対象とするのは「全数調査」です。単純無作為抽出は、母集団から無作為に一部を抽出する方法であり、全員を対象とはしません。用語の混同による誤りです。
c. ランダム数列を用いて作り出したマイナンバーによって調査対象者を選び出すのは層化抽出である
❌ 誤り。ランダム数列を用いるのは「単純無作為抽出」です。層化抽出(層別抽出)は、母集団を事前に異なる特性(年齢、性別など)で層に分け、各層から独立して抽出する方法です。本選択肢は単純無作為抽出の特徴です。
d. 各年齢ごとに調査対象を選び出すのは単純無作為抽出である
❌ 誤り。年齢ごとに層を分けて抽出するのは「層化抽出(層別抽出)」です。単純無作為抽出は階層化せず、全母集団から均等に無作為抽出します。年齢という層の存在が層化抽出の特徴です。
e. まず都道府県を選び、次に市町村を選び、そこに住んでいる人から調査対象者を選び出すのは多段階抽出である
✅ 正しい。多段階抽出(多段階抽出法)は、複数の段階を経て段階的に抽出する方法です。都道府県→市町村→個人という2段階(実質3段階)の抽出プロセスは多段階抽出の典型例です。
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【試験対策ポイント】
標本抽出法の分類と特徴:
| 抽出方法 | 特徴 | 説明 |
|---|---|---|
| 単純無作為抽出 | 層化なし、無作為 | ランダム数列など。全母集団から均等・無差別に抽出 |
| 層化抽出(層別抽出) | 事前に層分け→各層から抽出 | 年齢・性別・地域など特性で分け、各層から独立して抽出 |
| 多段階抽出 | 複数段階の抽出 | 都道府県→市町村→個人など、段階を踏んで抽出 |
| 集落抽出 | 地理的な集団 | 町内会単位など、自然な単位で抽出 |
| 全数調査 | 全員対象 | 母集団全体を調査。標本調査ではない |
紛らわしい選択肢の区別法:
・「ランダム」=「単純無作為抽出」(層化ではない)
・「~ごとに」「~別に」=「層化抽出」の可能性が高い
・「段階的に」「→」=「多段階抽出」
・「全員」「国民全員」=「全数調査」(標本調査ではない)
頻出パターン:年齢・性別・職業などで分ける→層化抽出と即答できるように