第25回 言語聴覚士国家試験 第61問
失語症第25回
失語症の訓練について誤っているのはどれか。
- 1.職場への復帰を支援する
- 2.会話は実用コミュニケーション訓練としての意味を持つ
- 3.社会環境の情報収集は計画立案に必要である
- 4.年齢や生活習慣によって訓練内容は異なる
- 5.重症例では自然回復を待って実施する ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 重症例では自然回復を待って実施する
失語症の訓練は発症直後から可能な限り早期に開始することが原則です。特に重症例こそ、自然回復を待つのではなく、早期から積極的な言語訓練を実施することが言語機能の回復を促進すると報告されています。「待つ」のではなく「早期介入」が現代的な失語症リハビリテーションの基本です。
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【各選択肢の解説】
1. 職場への復帰を支援する
✅ 正しい。失語症訓練の目標は言語機能そのものの回復だけでなく、社会参加と生活の質(QOL)向上にあります。職場復帰は重要な社会参加の形態であり、訓練計画に含まれるべき目標です。
2. 会話は実用コミュニケーション訓練としての意味を持つ
✅ 正しい。失語症訓練において、実際の会話場面での言語使用は極めて重要です。単なる言語機能回復訓練ではなく、実用的なコミュニケーション能力の獲得を目指すことが現代的なアプローチです。
3. 社会環境の情報収集は計画立案に必要である
✅ 正しい。患者の職場環境、家族構成、趣味、社会的役割など、生活背景の情報は訓練目標・内容の設定に不可欠です。個別化された訓練計画には環境情報の把握が必須です。
4. 年齢や生活習慣によって訓練内容は異なる
✅ 正しい。高齢者と若年者では訓練への耐性、学習速度、回復の見込みが異なります。また生活習慣(運動習慣、読書習慣など)も訓練内容の選択に影響します。個別化が原則です。
5. 重症例では自然回復を待って実施する
❌ 誤り。これは失語症のリハビリテーション原則に反しています。むしろ重症例こそ早期からの集中的な介入が必要とされており、自然回復に期待して訓練を遅延させることは機能回復の機会損失につながります。
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【試験対策ポイント】
失語症訓練の現代的原則
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 早期開始 | 発症直後から実施可能。自然回復を待たない |
| 強度 | 重症例ほど集中的な介入が必要 |
| 内容の個別化 | 年齢・生活環境・職業・趣味に応じた目標設定 |
| コミュニケーション中心 | 単なる言語機能回復ではなく実用性重視 |
| 社会参加 | 職場復帰・家族参加・地域活動を視野に入れる |
| ICF視点 | 身体機能→活動→参加へのアプローチ |
紛らわしい知識:「自然回復」
発症直後3ヶ月までは神経可塑性による自然回復が期待できる時期ですが、これは訓練をしないで待つという意味ではなく、この黄金期に訓練の効果が最大化しやすいという意味です。