第25回 言語聴覚士国家試験 第67問
小児科学第25回
ダウン症候群の児について誤っているのはどれか
- 1.初語が遅れる
- 2.中耳炎を繰り返しやすい
- 3.話し言葉が不明瞭である
- 4.アイコンタクトが不良である ✓
- 5.ジェスチャーに関心を示す
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — アイコンタクトが不良である
ダウン症候群の児はむしろアイコンタクトが良好であることが特徴的です。知的障害があっても、他者との関わりを求める傾向が強く、対人相互作用への関心が高いため、アイコンタクトは保たれています。この点は自閉症スペクトラム障害との鑑別において重要な臨床的特徴です。
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【各選択肢の解説】
1. 初語が遅れる
✅ 正しい。ダウン症候群は知的障害を伴うため、言語発達が全般的に遅延します。初語の出現時期が通常児より遅く、その後の語彙拡大や文法発達も緩徐です。
2. 中耳炎を繰り返しやすい
✅ 正しい。ダウン症候群の児は耳管機能障害と免疫機能低下により、急性中耳炎を繰り返す傾向があります。このため聴力低下が二次的に生じ、言語発達をさらに阻害する要因となります。
3. 話し言葉が不明瞭である
✅ 正しい。筋緊張低下(口腔筋を含む)と構音器官の発達異常(舌が大きい、口腔容積が小さいなど)により、構音障害が高頻度に生じます。
4. アイコンタクトが不良である
❌ 誤り。これがこの問題の正答です。ダウン症候群の児はむしろアイコンタクトが比較的良好で、対人関係への関心が高いという特徴があります。つまり「社会的関心の欠如」はダウン症候群の特徴ではなく、これは自閉症スペクトラム障害に当てはまります。
5. ジェスチャーに関心を示す
✅ 正しい。ダウン症候群の児は対人相互作用への関心が比較的保たれているため、他者のジェスチャーや身振りへの関心は良好です。これは言語理解が困難な段階でも視覚的コミュニケーションの基礎となります。
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【試験対策ポイント】
ダウン症候群 vs 自閉症スペクトラム障害の鑑別
| 特徴 | ダウン症候群 | 自閉症スペクトラム障害 |
|---|---|---|
| アイコンタクト | 良好 | 不良 |
| 対人関心 | 高い | 低い/異なる |
| ジェスチャー関心 | 関心あり | 関心なし |
| 知的障害 | あり(必須) | あり/なし両者存在 |
| 言語遅延 | あり | あり(場合による) |
ダウン症候群の言語特性
- 初語遅延:平均2~3歳
- 構音障害の高頻度:筋緊張低下+巨舌
- 聴力低下:中耳炎の反復による二次的因子
- 社会的相互作用:保たれている(自閉症との鑑別点)
- 預託能力:段階的に発達(自閉症では質的に異なる)