STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第25回 言語聴覚士国家試験 第7問

内科学第25回
HIV感染症について誤っているのはどれか
  1. 1.慢性的な合併症として骨粗しょう症がある
  2. 2.HIVはCD4陽性Tリンパ球やマクロファージに感染する
  3. 3.HIV感染による免疫障害は身体障害者福祉法にて内部障害と認定される
  4. 4.世界的にみると新規HIV感染者は増加している ✓
  5. 5.日本では性感染が新規感染の大多数を占める

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — 世界的にみると新規HIV感染者は増加している 世界的なHIV新規感染者数は、2010年代以降は「減少傾向」にあります。UNAIDS等の統計では、抗レトロウイルス療法(ART)の普及と予防施策の充実により、新規感染者数は全体的に減少しています。したがって「増加している」という記述は誤りです。 --- 【各選択肢の解説】 1. 慢性的な合併症として骨粗しょう症がある ✅ 正しい。HIV感染者では骨粗しょう症の発症リスクが健常人より高く、特に長期のART使用や免疫不全の状態が危険因子となります。HIV関連の慢性合併症として認識されています。 2. HIVはCD4陽性Tリンパ球やマクロファージに感染する ✅ 正しい。HIV(ヒト免疫不全ウイルス)は、CD4受容体とCCR5/CXCR4ケモカイン受容体を利用して、CD4陽性Tリンパ球・マクロファージ・樹状細胞などに感染します。免疫系の中核となる細胞への感染が病態の本質です。 3. HIV感染による免疫障害は身体障害者福祉法にて内部障害と認定される ✅ 正しい。HIV感染症により生じた免疫機能障害は「身体障害者福祉法」で内部障害として認定されます。これにより身体障害者手帳の交付対象となり、各種福祉サービスを受給できます。 4. 世界的にみると新規HIV感染者は増加している ❌ 誤り。世界的には、2010年代以降の新規HIV感染者数は「減少傾向」にあります。ART(抗レトロウイルス療法)の普及、PrEP(曝露前予防療法)、検査の拡大など、予防・治療戦略の進展により、新規感染は減少しています。 5. 日本では性感染が新規感染の大多数を占める ✅ 正しい。日本国内のHIV新規感染経路は、性的接触(特に男性同性間性的接触)が約90%以上を占めています。血液製剤・母子感染等はごく少数です。 --- 【試験対策ポイント】 HIV感染症の基本知識 | 項目 | 内容 | |---|---| | **ウイルス特性** | CD4受容体+ケモカイン受容体(CCR5/CXCR4)で感染 | | **感染細胞** | CD4+Tリンパ球、マクロファージ、樹状細胞 | | **診断段階** | CD4数200未満=AIDS診断 | | **治療** | ART(抗レトロウイルス療法)で検出限界以下に制御可能 | HIV関連の合併症と福祉制度 | 分類 | 該当する合併症 | |---|---| | **機会感染** | カリニ肺炎、トキソプラズマ脳炎、CMV網膜炎 | | **悪性腫瘍** | 非ホジキンリンパ腫、カポジ肉腫 | | **代謝異常** | 骨粗しょう症、脂質異常症、糖尿病 | | **福祉認定** | 身体障害者福祉法・内部障害として認定 | 世界的HIV感染状況:最新動向 - 新規感染者:ピークから「減少傾向」(2010年代以降) - 発症抑制率:ART開始後、ウイルス検出限界以下達成で「感染性なし」(Undetectable=Untransmittable) - 予防戦略:PrEP、PEP、定期検査、包括的性教育 日本
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