第25回 言語聴覚士国家試験 第74問
言語発達障害学第25回
注意欠陥・多動性障害の指導で適切でないのはどれか
a.ポーテージ・プログラム
b.応用行動分析
c.アサーション
d.ベアレントトレーニング
e.プレスピーチアプローチ
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — a,b
AD/HD(注意欠陥・多動性障害)の指導において、a「ポーテージ・プログラム」とe「プレスピーチアプローチ」は適切ではありません。ポーテージ・プログラムは発達遅滞児向けの早期教育プログラムであり、AD/HDの特異的指導法ではなく、プレスピーチアプローチは音韻基礎の構音指導法で、AD/HDの行動・認知的問題に対応していません。
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【各選択肢の解説】
a. ポーテージ・プログラム
❌ 適切ではありません。ポーテージ・プログラムは発達遅滞児向けの階段的発達支援プログラムであり、AD/HDの不注意・衝動性・多動性という中核症状に特化した指導法ではありません。発達遅滞とAD/HDは異なる支援ニーズを持つため、AD/HD指導には適用しにくいです。
b. 応用行動分析
✅ 適切です。応用行動分析(ABA)は、AD/HDの不適切な行動(衝動的行動・注意散漫)に対して、先行条件の調整・強化スケジュール・結果の操作により改善する実証的方法であり、AD/HD指導の標準的手法です。
c. アサーション
✅ 適切です。アサーション(主張訓練)は、AD/HDに伴う対人スキルの問題(相手を傷つけずに自分の気持ちを伝える等)を改善し、社会的適応を高めるため有用です。認知行動療法的アプローチとしても機能します。
d. ベアレントトレーニング
✅ 適切です。親訓練(ペアレント・トレーニング)は、保護者がAD/HDの特性を理解し、家庭での一貫した行動管理を学ぶことで、子どもの症状軽減・行動改善につながる国際的に推奨される指導法です。
e. プレスピーチアプローチ
❌ 適切ではありません。プレスピーチアプローチは音韻基礎(聴覚弁別・運動計画等)を構音障害指導に先行させる方法であり、AD/HDの不注意・衝動性・実行機能障害といった症状に対応した指導法ではありません。
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【試験対策ポイント】
発達障害指導法の分類表:
| 指導法 | 対象症状 | 主要要素 | 適用障害 |
|---|---|---|---|
| 応用行動分析 | 不適切行動 | 先行刺激・強化・結果操作 | AD/HD・行動障害 |
| ベアレント・トレーニング | 親のスキル不足 | 親教育・一貫性 | AD/HD・自閉症 |
| アサーション | 対人スキル | 自己表現・感情表現 | AD/HD・社会性発達 |
| ポーテージ | 全般発達遅滞 | 階段的発達支援 | 発達遅滞児 |
| プレスピーチ | 音韻基礎不足 | 聴覚弁別・運動計画 | 構音障害 |
重要な否定知識:
- ポーテージはあくまで「発達遅滞」向け→AD/HDisNOT対象
- プレスピーチは「言語音」指導→行動・認知症状に無関係
- AD/HD指導の3本柱:応用行動分析+親訓練+認知行動療法的アプローチ