STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第25回 言語聴覚士国家試験 第78問

耳鼻咽喉科学第25回
単純喉頭全摘出術後に生じるのはどれか a.誤嚥 b.複視 c.歩行障害 d.嗅覚障害 e.気管孔呼吸 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — d, e(嗅覚障害・気管孔呼吸) 単純喉頭全摘出術は喉頭がんの根治的治療法です。喉頭を完全に摘出することで、気管と食道が遮断され、呼吸は永久的に気管孔を通じて行われます。また、喉頭摘出により嗅覚低下が生じるのは、鼻腔から咽頭へのルート喪失により嗅覚の逆流経路が消失するためです。一方、誤嚥は生じず、神経症状(複視・歩行障害)も術式に直結しない特異的合併症ではありません。 --- 【各選択肢の解説】 a. 誤嚥 ❌ 誤り。単純喉頭全摘出術では喉頭全体が摘出されるため、食道と気管が遮断されます。むしろ誤嚥リスクは低下し、経口摂取が早期から可能となる最大の利点です。喉頭保存手術(部分摘出・レーザー手術)でも嚥下機能が著しく障害されないため、全摘出術で誤嚥が生じることはありません。 b. 複視 ❌ 誤り。複視は外眼筋麻痺(外転神経・動眼神経・滑車神経障害)に伴う症状です。喉頭全摘出術は頭頸部の局所手術であり、脳神経麻痺を直接的に引き起こしません。頸部郭清術の合併症として副神経損傷がありますが、複視は生じません。 c. 歩行障害 ❌ 誤り。歩行障害は脊髄損傷・脳神経障害・末梢神経障害を示唆する症状です。喉頭全摘出術の術野は上頸部に限定され、下肢の運動機能に直結する神経損傷はありません。術後の全身状態悪化による二次的な歩行困難は別ですが、術式特異的な合併症ではありません。 d. 嗅覚障害 ✅ 正しい。喉頭摘出により口腔と咽頭が遮断されると、揮発性物質が鼻腔から咽頭奥への逆流経路が失われます。これにより嗅覚の順行性経路が主流となり、嗅覚が著しく低下します。嗅覚障害は可逆性であり、一部患者は代替法(オルファクトリーエイド)で改善可能ですが、確実に生じる後遺症です。 e. 気管孔呼吸 ✅ 正しい。喉頭全摘出術の最大の特徴です。喉頭が摘出されると気管を気管孔(気管瘻)として外部に開放します。以後、呼吸は気管孔を通じて行われ、鼻腔・口腔を経由しなくなります。患者は終生気管孔の管理が必要になります。 --- 【試験対策ポイント】 喉頭全摘出術の直接的影響 | 項目 | 変化 | 理由 | |---|---|---| | 誤嚥リスク | 低下・なし | 喉頭がないため気道保護必要なし | | 嗅覚 | 低下 | 口腔⇄咽頭ルート喪失 | | 呼吸経路 | 気管孔 | 喉頭摘出⇒気管瘻造設 | | 音声 | 消失 | 声帯欠損(食道音声や代用音声装置で補償) | | 嚥下機能 | 良好 | 食道は温存される | 喉頭全摘出術 vs 部分摘出術 喉頭全摘出:喉頭全体欠損→気管孔呼吸(必
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