STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第25回 言語聴覚士国家試験 第80問

機能性構音障害第25回
6歳小児に行う音の産出訓練について誤っているのはどれか。
  1. 1.安定してできるまで反復練習を行う
  2. 2.望ましい反応が得られたら即時強化をする
  3. 3.ここに合わせたステップを設定する
  4. 4.誤反応の場合は無視する ✓
  5. 5.正しいモデルを聴覚的・視覚的に提示する

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — 誤反応の場合は無視する 6歳児の音の産出訓練では、誤反応を「無視する」ことは不適切です。誤反応に対しては、正しい産出方法を再度モデル提示したり修正フィードバックを与えたりするなど、建設的な対応が必要です。単に無視すると、児が誤った音の習慣化を招く可能性があり、学習効果が低下します。 --- 【各選択肢の解説】 1. 安定してできるまで反復練習を行う ✅ 正しい。機能性構音障害の訓練では、新しい音が安定的に産出されるまで、十分な練習回数と練習密度が必要です。反復練習により神経筋制御が改善されます。 2. 望ましい反応が得られたら即時強化をする ✅ 正しい。オペラント条件づけの原理に基づき、正反応直後に褒める・ポイントを与えるなどの強化刺激を提供することで、その行動を増加させることができます。児の動機づけ維持にも有効です。 3. ここに合わせたステップを設定する ✅ 正しい。児の発達段階・能力に応じた段階的な訓練目標設定は、学習の成功体験を積み重ねるために必須です。難易度が適切に調整されていない訓練は挫折につながります。 4. 誤反応の場合は無視する ❌ 誤り。誤反応を単に無視することは不適切です。誤反応に対しては、正しいモデルを再提示する、修正フィードバックを与えるなど、建設的な対応を行う必要があります。無視すると誤った音の強化につながりかねません。 5. 正しいモデルを聴覚的・視覚的に提示する ✅ 正しい。児が模倣学習を行うために、セラピストの正しい産出を「聞かせる(聴覚的)」「口の形を見せる(視覚的)」という多感覚的な提示が効果的です。 --- 【試験対策ポイント】 【機能性構音障害の訓練原則(6歳児対象)】 | 項目 | 内容 | |---|---| | モデル提示 | 聴覚的+視覚的(多感覚的アプローチ) | | 正反応への対応 | 即時強化(褒める・報酬) | | 誤反応への対応 | 無視ではなく「修正フィードバック」&「モデル再提示」 | | 練習密度 | 十分な反復練習(安定まで) | | ステップ設定 | 児の能力に応じた段階的目標 | 【誤反応への対応:頻出誤り選択肢パターン】 「誤反応を無視する」は行動療法における「消去」(reinforcement removal)という手法に聞こえやすいが、構音訓練では不適切。児が誤った音を繰り返す危険性がある。むしろ「修正フィードバック+モデル再呈示」が標準的手法。 【他分野との混同注意】 自閉症スペクトラムの不適応行動対応では「無視による消去」が効果的な場合もあるが、構音訓練の文脈では異なる原理が適用される。設問の対象(6歳児の音の産出訓練)を見落とさない。
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