STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第25回 言語聴覚士国家試験 第82問

耳鼻咽喉科学第25回
頭頚部がん治療後の構音に影響しないのはどれか
  1. 1.再建術式
  2. 2.切除範囲
  3. 3.放射線療法
  4. 4.頸部郭清術
  5. 5.上肢運動療法 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 上肢運動療法 頭頚部がん治療後の構音障害は、主に腫瘍切除による組織欠損、放射線による線維化、手術による神経・筋損傷に起因します。上肢運動療法は構音に直接関与する器官(舌、唇、咽頭、声帯など)に作用しないため、構音に影響しません。一方、再建術式・切除範囲・放射線療法・頸部郭清術はすべて音声・構音器官に直接的な影響を与えます。 --- 【各選択肢の解説】 1. 再建術式 ❌ 誤り。再建に用いる組織の可動性・感覚・柔軟性によって、舌や咽頭の機能性が大きく異なります。游離組織弁と局所皮弁では再建後の構音機能が異なり、構音障害の程度に直結します。 2. 切除範囲 ❌ 誤り。舌の広範切除、軟口蓋の切除、咽頭壁の切除など、切除範囲が広いほど構音に影響します。特に舌は音韻形成の中核臓器であり、切除範囲と構音障害の程度は相関します。 3. 放射線療法 ❌ 誤り。放射線は舌、咽頭、喉頭の粘膜と筋肉に線維化と硬化をもたらし、組織の可動性を低下させます。その結果、構音障害が生じます。照射線量が多いほど影響は大きくなります。 4. 頸部郭清術 ❌ 誤り。頸部郭清術で副神経(XI)が損傷されると、肩関節の運動機能が低下しますが、これが直接の構音障害原因にはなりません。ただし迷走神経(X)や舌下神経(XII)が誤損傷されれば構音に影響します。一般的な標準頸部郭清術では、正中線以外の神経損傷は構音に直接関与しない可能性が高いため、他選択肢に比べて影響は限定的です。 5. 上肢運動療法 ✅ 正しい。上肢運動療法は肩関節の機能回復を目的とした理学療法で、構音に直接関与する舌・唇・咽頭・声帯などの器官に作用しません。したがって構音障害に直接的な影響を与えません。 --- 【試験対策ポイント】 頭頚部がん治療と構音障害の関連性 | 治療法 | 構音への影響 | 機序 | |---|---|---| | **切除手術** | 大 | 舌・軟口蓋・咽頭の欠損→音韻形成不全 | | **再建術式** | 大 | 再建組織の可動性・感覚低下 | | **放射線療法** | 大 | 粘膜・筋肉の線維化→硬化・可動性低下 | | **頸部郭清術** | 小~中 | 神経損傷による筋機能低下(副神経は構音非関与) | | **上肢運動療法** | なし | 肩関節機能回復のみ(構音器官非関与) | 構音障害の原因臓器(いずれも「下位運動ニューロン型」) - 舌の広範切除→舌咽神経(IX)・舌下神経(XII)支配筋の欠損 - 軟口蓋切除→副咽頭筋の喪失 - 喉頭温存時の放射線→内喉頭筋の線維化 - 舌の可動性低下→神経損傷または線維化 頻出の誤り選択肢パターン 「肩関節機能」と「構音」の混同。頸部郭清術後は肩下制不全が問題にな
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