第25回 言語聴覚士国家試験 第83問
運動障害性構音障害第25回
運動障害性構音障害と言語症状との組み合わせで誤っているのはどれか
- 1.痙性構音障害 ― 平板なピッチ
- 2.一側上位運動ニューロン性構音障害 ― 声量の増大 ✓
- 3.運動低下性構音障害 ― 発話速度の亢進
- 4.運動過多性構音障害 ― 発話速度の変動
- 5.失調性構音障害 ― 爆発的な起声
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 一側上位運動ニューロン性構音障害 ― 声量の増大
一側上位運動ニューロン性構音障害では、声量が「低下」することが特徴です。一側脳卒中による軽微な構音障害であり、声量の増大は見られません。
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【各選択肢の解説】
1. 痙性構音障害 ― 平板なピッチ
✅ 正しい。両側錐体路障害(偽性球麻痺)に伴う痙性構音障害は、喉頭筋の痙性麻痺により音声が緊張し、平板なピッチが特徴です。このため努力性嗄声として聞こえます。
2. 一側上位運動ニューロン性構音障害 ― 声量の増大
❌ 誤り。一側脳卒中による軽度の構音障害で、むしろ声量は「低下」します。構音器官の片側性軽度麻痺のため、発話明瞭度がわずかに低下しますが、声量増大は見られません。
3. 運動低下性構音障害 ― 発話速度の亢進
✅ 正しい。パーキンソン病などの基底核障害では、加速現象(festination)により発話速度が亢進します。意図に反して勝手に速くなることが特徴です。
4. 運動過多性構音障害 ― 発話速度の変動
✅ 正しい。ハンチントン舞踏病などの不随意運動により、発話速度が一定でなく変動します。舞踏様運動に伴う不規則な発話の乱れが生じます。
5. 失調性構音障害 ― 爆発的な起声
✅ 正しい。小脳障害による失調性構音障害では、発話開始時に力がこもって爆発的に開始される爆発的起声が見られます。スキャニングスピーチ(断綴性発話)とともに典型的な特徴です。
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【試験対策ポイント】
Mayo分類における各タイプの主要特徴:
| 構音障害タイプ | 原因部位 | 主な音声特徴 | 発話速度 |
|---|---|---|---|
| 痙性 | 両側錐体路 | 努力性嗄声・平板ピッチ | 低下 |
| 弛緩性 | 下位運動ニューロン | 開鼻声・気息性嗄声 | 低下 |
| 失調性 | 小脳 | 爆発的起声・スキャニングスピーチ | 不規則 |
| 運動低下性 | 基底核 | 単調・加速現象 | 亢進(加速) |
| 運動過多性 | 基底核・脳幹 | 発話速度変動・乱れ | 変動 |
| 一側上位運動ニューロン性 | 一側錐体路 | 軽微・声量低下 | 低下気味 |
頻出の誤り:
- 一側上位運動ニューロン性は「軽度」であることが肝要。声量増大は発生しません
- 運動低下性の「加速現象」は運動過多性と混同しやすい(加速は意図に反して速くなる現象)
- 失調性の「断綴性発話」と「爆発的起声」はセットで覚える