STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第25回 言語聴覚士国家試験 第84問

運動障害性構音障害第25回
痙性構音障害患者に適応とならない訓練はどれか
  1. 1.ブローイング
  2. 2.プッシング ✓
  3. 3.呼吸と発声の協調
  4. 4.下顎と舌の分離運動
  5. 5.筋のリラクゼーション

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — プッシング 痙性構音障害は両側錐体路障害(偽性球麻痺)により、喉頭を含む発話器官の筋緊張が過度に亢進している状態です。プッシングは筋緊張をさらに増加させるため、症状を悪化させる可能性があり適応とになりません。痙性構音障害では緊張を低下させる訓練が優先されます。 --- 【各選択肢の解説】 1. ブローイング ✅ 適応です。呼気流の安定化と呼吸機能の改善に有効であり、痙性構音障害患者の発声準備として用いられます。 2. プッシング ❌ 適応ではありません。プッシング(押す動作)は筋を収縮させ、すでに亢進している筋緊張をさらに増加させてしまい、痙性構音障害を悪化させる恐れがあります。 3. 呼吸と発声の協調 ✅ 適応です。呼吸と発声のタイミングを調整することで、安定した音声生成を促し、痙性構音障害の改善に直結します。 4. 下顎と舌の分離運動 ✅ 適応です。下顎や舌の不要な緊張を軽減し、それぞれの器官を独立して動かす能力を高めることで、構音の明瞭性向上につながります。 5. 筋のリラクゼーション ✅ 適応です。過度な筋緊張の緩和は痙性構音障害の根本的な改善戦略であり、最優先される訓練です。 --- 【試験対策ポイント】 痙性構音障害の訓練の基本原則 | 訓練法 | 目的 | 理由 | |---|---|---| | リラクゼーション | 筋緊張低下 | 亢進した筋緊張を直接軽減 | | ブローイング | 呼吸安定化 | 呼気制御を改善 | | 呼吸発声協調 | 音声安定化 | 発話の基盤形成 | | 下顎舌分離運動 | 器官独立性向上 | 構音明瞭性改善 | | プッシング | ×不適応 | 筋緊張をさらに亢進させる | 痙性構音障害の臨床特徴と訓練選択の鍵 筋緊張が「亢進」→緊張を「低下」させる訓練を選ぶ プッシングは力任せに筋を収縮させる訓練であり、緊張性障害には逆効果。本問は「何をするか」ではなく「何をしてはいけないか」を問う典型的な設問です。
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