STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第25回 言語聴覚士国家試験 第87問

吃音第25回
5歳の男児。「こんにちは」と発話した時の記録。吃音中核症状でないのはどれか。 a.「えー。こんにちは」 b.「ここここんにちは」 c.「こーんにちは」 d.「こんこんこんにちは」 e.「こんにゅ。いや。こんにちは」 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — a,e 吃音の中核症状は「音声ブロック」「連続反復」「延長」の3つです。a(「えー。こんにちは」)は音の開始前の難しさを回避するための随伴症状(ため息・同伴音)であり、eは言い換えという修正行動で、いずれも中核症状ではなく周辺症状です。 --- 【各選択肢の解説】 a. 「えー。こんにちは」 ✅ 中核症状ではない。「えー」は音の開始困難を回避するための同伴音(ため息様の音声)で、随伴症状(周辺症状)に分類されます。中核症状に先行して出現する回避行動です。 b. 「ここここんにちは」 ❌ 中核症状。「こ」音の連続反復(クローニック反復)です。同じ音が複数回繰り返される現象で、吃音の3大中核症状の一つです。 c. 「こーんにちは」 ❌ 中核症状。「こ」音の延長(プロローゲーション)です。音が長く引き伸ばされる現象で、吃音の3大中核症状の一つです。 d. 「こんこんこんにちは」 ❌ 中核症状。「こん」の音節全体が連続反復(トニック反復)です。同じ音節が複数回繰り返される現象で、中核症状に該当します。 e. 「こんにゅ。いや。こんにちは」 ✅ 中核症状ではない。言い換え(言い直し)という修正行動で、吃音症状が生じた後に別の表現に変更する周辺症状です。随伴症状の中でも修正行動に該当します。 --- 【試験対策ポイント】 吃音の中核症状と周辺症状の整理 | 項目 | 特徴 | 具体例 | |---|---|---| | 音声ブロック | 音が出ない状態が数秒続く | (無音)「こ」→「んにちは」 | | 連続反復 | 同じ音節/音が複数回繰り返される | 「ここここんにちは」「こんこんこん」 | | 延長 | 音が長く引き伸ばされる | 「こーーーんにちは」 | 周辺症状(随伴症状)の分類 | 分類 | 具体例 | 機能 | |---|---|---| | 同伴音 | 「えー」「あー」「ん」など無関係な音 | 音出し困難を回避・軽減 | | 身体的随伴症状 | 瞬き・首振り・顔しかめ | 発話困難な状況での対処 | | 修正行動 | 言い換え・言い直し・中断 | 困難な表現を回避・修正 | | 回避行動 | 無言・沈黙・語彙変更 | 困難な場面や話題を避ける | 重要否定知識 - ため息様音声「えー」は中核症状に含まれない(回避的同伴音) - 言い換えは中核症状ではない(修正行動という随伴症状) - 中核症状は自動的・反射的に出現する現象 - 周辺症状は吃音者が苦痛を軽減するために学習する二次的行動 試験での区別ポイント - 「音が出ない」「繰り返す」「引き伸ばす」→中核症状の可能性 - 「音や行動を付け足す」「別の表現に変える」「身体的な動き」→周辺症状の可能性 - a・eは明らかに「対処行動」であることがキーワード
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