STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第25回 言語聴覚士国家試験 第88問

吃音第25回
3歳6か月の男児。発達性吃音の疑い。適切な対応はどれか。 a.過度な心理的負荷を与えない b.十分な間をとってゆっくり話す c.肯定的なかかわりに努める d.はきはきした話し方を教える e.落ち着いて話すよう指示する 1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — a,b,c 3歳6か月の発達性吃音では、吃音そのものを直接指摘・矯正するのではなく、保護者と子どもの話しやすい環境づくりに重点を置く対応が必須です。肯定的で低圧的な関わりが、吃音の悪化防止と自然寛解を促進します。 --- 【各選択肢の解説】 a. 過度な心理的負荷を与えない ✅ 正しい。発達性吃音の最大のリスク要因は心理的ストレスと親の否定的態度です。責められたり、急かされたりする経験が吃音を固定化・悪化させるため、低圧的環境づくりが重要な介入です。 b. 十分な間をとってゆっくり話す ✅ 正しい。親が意図的にスローダウンし話者交代に間を取ることで、子どもが話しやすいペースを確保できます。これにより子どもも無意識に焦りが減少し、吃音頻度低下につながります。 c. 肯定的なかかわりに努める ✅ 正しい。「その調子」「いいね」などの肯定的強化が自己肯定感を維持し、話す動機づけを支援します。吃音を呆れたり叱ったりしない態度が家庭内での安心感につながります。 d. はきはきした話し方を教える ❌ 誤り。発達性吃音の幼児に「正しい話し方」の練習や指導を行うことは逆効果です。子どもが「話し方が悪い」と認識し、さらに話すことへの不安が増幅される危険性があります。吃音を意識させない対応が原則です。 e. 落ち着いて話すよう指示する ❌ 誤り。「落ち着いて」「ゆっくり」と指示することは、子ども本人に「話し方に問題がある」というメッセージを与え、話すことへの恐怖や羞恥心を醸成します。指示ではなく、親自らがモデルを示す対応が有効です。 --- 【試験対策ポイント】 発達性吃音の対応:親のスタンス中心 | 推奨される対応 | 避けるべき対応 | |---|---| | 低圧的・肯定的関わり | 指摘・指導・叱責 | | 親がスローペース話法をモデル化 | 「ゆっくり話しなさい」と指示 | | 話す機会の安心確保 | 話者交代が早い・割込み多い環境 | | 吃音を意識させない | 「どもった」「上手じゃない」と指摘 | 重要:3歳~6歳は自然寛解率が高い(60~80%)ため、医学的介入より親教育を優先します。直接指導や矯正は禁忌です。
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