STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第25回 言語聴覚士国家試験 第89問

小児聴覚障害第25回
幼児期の進行性難聴の原因はどれか a.ムンプス感染 b.GJB2遺伝子変異 c.先天性風疹症候群 d.SLC26A4遺伝子変異 e.先天性サイトメガロウィルス感染 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — d. SLC26A4遺伝子変異、e. 先天性サイトメガロウィルス感染 幼児期の進行性難聴の原因を区別することは、小児聴覚障害の診療における重要なテーマです。問題は「進行性難聴」に限定されているため、先天性難聴であってもその後に聴力が変動・悪化する原因に限定する必要があります。SLC26A4遺伝子変異(ペンドレッド症候群)は外リンパ液の異常で進行性の感音難聴を呈し、先天性CMV感染は出生後に進行することがあります。一方、GJB2遺伝子変異と先天性風疹症候群は先天性難聴で「進行性」ではなく、ムンプスによる難聴も急性発症で進行性ではありません。 --- 【各選択肢の解説】 a. ムンプス感染 ❌ 誤り。ムンプス感染による難聴は、典型的には急性の感音難聴として発症し、進行性ではありません。一般的に一側性で、発症後の聴力変動は限定的です。 b. GJB2遺伝子変異 ❌ 誤り。GJB2遺伝子変異(コネキシン26異常)は先天性難聴の最大原因ですが、大多数は安定性難聴で進行しません。進行性を示す例は極めて稀です。 c. 先天性風疹症候群 ❌ 誤り。先天性風疹症候群(CRS)の難聴は先天性で固定的であり、出生後の進行を示しません。白内障、心奇形、網膜病変などとともに先天奇形の一部です。 d. SLC26A4遺伝子変異 ✅ 正しい。SLC26A4遺伝子変異はペンドレッド症候群を引き起こし、外リンパ液産生・吸収の異常により、出生時には正常聴力でも幼児期から進行性の感音難聴を呈するのが特徴です。内耳奇形(拡大半規管、前庭水管拡大症)を伴うことが多い。 e. 先天性サイトメガロウィルス感染 ✅ 正しい。先天性CMV感染は、出生時には難聴がなくても乳幼児期から進行性の感音難聴を呈することが知られています。新生児感音難聴の最大感染症原因で、出生後数週間~数ヶ月で聴力低下が進行することが特徴です。 --- 【試験対策ポイント】 問題キーワード:「幼児期の進行性難聴」=出生後に聴力が変動・悪化する原因に限定 | 原因 | 進行性 | 発症時期 | 臨床特徴 | |---|---|---|---| | GJB2遺伝子変異 | いいえ(先天性固定) | 先天性 | コネキシン26異常・最多原因 | | SLC26A4遺伝子変異 | はい | 幼児期発症 | 前庭水管拡大症・ペンドレッド症候群 | | 先天性CMV感染 | はい | 出生数週~数ヶ月 | NHS陽性→進行性・最多感染症原因 | | 先天性風疹症候群 | いいえ(先天性固定) | 先天性 | 白内障・心奇形・網膜病変 | | ムンプス感染 | いいえ(急性一過性) | 急性発症 | 一側性が多い・聴力回復例もある | 重要な区別:「進行性」と「先天性」は異なる概念 - 先天性=生まれつき難聴がある - 進行性=出生後に聴力が変わ
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