STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第25回 言語聴覚士国家試験 第98問

成人聴覚障害第25回
難聴者に対する聴覚補償の例として正しいのはどれか a.要約筆記 b.手話通訳 c.音声文字変換ソフト d.軟骨伝導補聴器 e.補聴援助システム 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — d.軟骨伝導補聴器、e.補聴援助システム 聴覚補償とは、聴覚障害によって低下した聴力機能を補うための技術・機器・サービスです。正答のd と e は、直接的に音声刺激を届けたり、聴こえやすくする物理的補償であり、聴覚障害の機能低下そのものを補う方法です。一方、a・b・c は聴覚以外の感覚を用いた代替コミュニケーション手段であり、聴覚補償とは区別されます。 --- 【各選択肢の解説】 a.要約筆記 ❌ 誤り。要約筆記は聴覚情報をテキスト化して視覚で補う方法であり、「視覚を用いた代替コミュニケーション手段」です。聴力そのものを補う聴覚補償ではなく、聴覚情報の欠落を別の感覚で補う「代替コミュニケーション支援」に分類されます。 b.手話通訳 ❌ 誤り。手話通訳は聴覚障害者が視覚(手指表現・表情)を用いてコミュニケーションする方法で、聴覚以外の感覚を活用した「代替コミュニケーション手段」です。聴覚補償の定義(聴力機能の回復・補充)には当たりません。 c.音声文字変換ソフト ❌ 誤り。音声文字変換ソフト(例:UDトークなど)は音声入力をテキストに変換する技術で、聴覚を用いずに視覚でコミュニケーション内容を捉える「代替的情報支援ツール」です。聴力そのものを補う聴覚補償ではありません。 d.軟骨伝導補聴器 ✅ 正しい。軟骨伝導補聴器は振動を頭骨に伝え、内耳の蝸牛へ直接音響刺激を届ける補聴機器です。伝音難聴や混合難聴の患者でも有効であり、聴力機能そのものを補う「聴覚補償」に該当します。 e.補聴援助システム ✅ 正しい。補聴援助システム(例:ロジャーシステム、FMシステム)は、音源からの音声を直接受信機に無線送信し、周囲のノイズを低減して聴こえやすくする聴覚補償機器です。補聴器の装用効果を高める聴覚支援技術として位置づけられます。 --- 【試験対策ポイント】 聴覚補償 vs 代替コミュニケーション手段の区別 | 分類 | 内容 | 具体例 | |---|---|---| | 聴覚補償(○) | 聴力機能そのものを補う。音響刺激を聴覚系へ届ける | 補聴器、軟骨伝導補聴器、補聴援助システム、人工内耳 | | 代替コミュニケーション(×) | 聴覚以外の感覚を用いてコミュニケーション。聴力は補わない | 手話、要約筆記、音声文字変換、字幕、口話 | 重要キーワード - 軟骨伝導:振動を骨に伝えて内耳へ→伝音難聴でも有効 - 補聴援助システム:FM/デジタル無線で音源からの信号を直接送信→ノイズ軽減・距離制約なし - 要約筆記・手話・音声文字変換:いずれも「代替コミュニケーション」=聴覚補償ではない 紛らわしい誤認ポイント 聴覚支援全般を「聴覚補償」と混同しないこと。「聴力機能そのものの補
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