第25回 言語聴覚士国家試験 第99問
補聴器・人工内耳第25回
補聴器の特徴、適応において正しい組み合わせはどれか。
- 1.軟骨伝導補聴器 ― 感音難聴
- 2.小型耳かけ型補聴器(RIC) ― ハウリングしやすい
- 3.耳かけ型補聴器 ― 汗に強い
- 4.骨導補聴器 ― 両側外耳道閉鎖 ✓
- 5.CROS補聴器 ― 両側高度難聴
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 骨導補聴器 ― 両側外耳道閉鎖
骨導補聴器は、耳道を経由せずに骨を振動させて内耳に音を伝える仕組みです。したがって外耳道の狭窄や閉鎖がある場合に最適な適応となります。両側外耳道閉鎖は骨導補聴器の典型的な適応疾患です。
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【各選択肢の解説】
1. 軟骨伝導補聴器 ― 感音難聴
❌ 誤り。軟骨伝導補聴器は外耳道の狭窄・閉鎖時に有効な気導補聴器であり、感音難聴よりも伝音難聴の患者に適応します。感音難聴は通常の気導補聴器で対応します。
2. 小型耳かけ型補聴器(RIC) ― ハウリングしやすい
❌ 誤り。RIC型は小型で耳穴に挿入するレシーバーが独立しているため、耳栓のフィット感が良く、むしろハウリングが少なくなります。逆に挿入されたレシーバーの緩い装用により、ハウリング傾向が軽減されます。
3. 耳かけ型補聴器 ― 汗に強い
❌ 誤り。耳かけ型補聴器は機器が耳の後ろに露出するため、汗の影響を受けやすく、耳垂れや湿度による障害が発生しやすいです。むしろ汗に弱いのが特徴です。耳穴型(ITE)の方が外見上は保護されていますが、内部は湿気に注意が必要です。
4. 骨導補聴器 ― 両側外耳道閉鎖
✅ 正しい。骨導補聴器は頭部の骨(乳突部など)を振動させて蝸牛に直接音を伝えるため、外耳道が完全に閉鎖していても聴覚を改善できます。先天性外耳道閉鎖症や両側外耳道閉鎖は骨導補聴器の典型的適応です。
5. CROS補聴器 ― 両側高度難聴
❌ 誤り。CROS補聴器(Contralateral Routing of Signal)は一側聾や高度難聴に対して、聞こえない側の音を聞こえる側に送る仕組みです。両側高度難聴の患者には両耳補聴が必要であり、CROS補聴器は適応になりません。CROS適応は「一側聾+対側が正常または軽度難聴」です。
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【試験対策ポイント】
補聴器の種類と適応の関連性
| 補聴器の種類 | 特徴 | 適応 | 非適応 |
|---|---|---|---|
| 気導補聴器(耳穴型・耳かけ型) | 最も一般的 | 伝音難聴・感音難聴・混合難聴 | 両側外耳道閉鎖 |
| 骨導補聴器 | 骨の振動で直接内耳へ | 伝音難聴・外耳道閉鎖 | 感音難聴(聴覚神経障害) |
| 軟骨伝導補聴器 | 耳甲介・軟骨部への接触 | 外耳道狭窄・閉鎖 | 感音難聴 |
| CROS/BiCROS | 一側の音を対側に | 一側聾 | 両側高度難聴 |
重要な否定知識
- 「骨導補聴器=感音難聴の第一選択」は誤り→気導補聴器が第一選択
- 「耳かけ型=汗に強い」は誤り→露出しているため