第26回 言語聴覚士国家試験 第10問
言語発達障害学第26回
自閉スペクトラム症の特徴はどれか。
- 1.興味の範囲が多岐にわたる。
- 2.言語表出の発達は早い。
- 3.聴覚や視覚の刺激に過敏である。 ✓
- 4.抽象的概念の説明が上手である。
- 5.視線を合わせて話す。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 聴覚や視覚の刺激に過敏である。
自閉スペクトラム症(ASD)の中核特性として、感覚統合の異常により感覚刺激に対する過敏性が顕著です。聴覚・視覚・触覚などの特定の感覚入力に対して過度に反応し、日常生活に支障をきたすことがあります。これはASD診断基準に「感覚入力への異常な反応」として明記されている重要な特徴です。
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【各選択肢の解説】
1. 興味の範囲が多岐にわたる。
❌ 誤り。ASDは限定的で反復的な行動・興味・活動様式を示します。むしろ興味の範囲は「限定的・固定的」であり、特定の物や事柄への強い執着を示すことが特徴です。
2. 言語表出の発達は早い。
❌ 誤り。ASDでは言語発達の遅延が一般的です。初語の遅延、語彙増加の停滞、文法的複雑さの獲得遅延などが見られ、定型発達児と比べて発達速度が遅いです。
3. 聴覚や視覚の刺激に過敏である。
✅ 正しい。ASDにおける感覚過敏は重要な特性で、特定の音声(特に耳障りな音)や光、視覚パターン、匂い、味覚などに対して過度に反応します。この過敏性は本人の不快感や行動上の問題につながることがあります。
4. 抽象的概念の説明が上手である。
❌ 誤り。ASDでは抽象的思考よりも具体的・視覚的思考を得意とする傾向があります。抽象的概念(比喩、イディオム、社会的含意など)の理解・説明は弱点であることが多いです。
5. 視線を合わせて話す。
❌ 誤り。ASDの社会的コミュニケーション上の困難として、眼の接触回避(視線を合わせない)が典型的です。これは社会的相互作用の理解困難と関連しており、ASD診断の重要な指標となります。
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【試験対策ポイント】
ASDの診断基準との対応関係:
| 中核症状 | 具体的な特徴 |
|---|---|
| 社会的コミュニケーション困難 | 眼の接触回避・理解困難・共有の困難 |
| 限定的・反復的行動 | 固定的興味・反復運動・物への執着 |
| 感覚特性 | 聴覚過敏・視覚過敏・低反応性(混在) |
重要否定知識:
- 「発達が進んでいる」のではなく「発達のパターンが異なる」
- 言語表出は「遅延傾向」(早くはない)
- 視線合わせは「困難」(良好ではない)
- 抽象的思考は「苦手」(得意ではない)
感覚過敏の臨床的重要性:
- ST介入時に環境調整(騒音軽減、照度調整)が必要
- 検査の信頼性に影響する可能性を考慮
- 教育現場でも学習困難の原因となることがある