第26回 言語聴覚士国家試験 第107問
小児科学第26回
乳児期に筋緊張低下がみられないのはどれか。
- 1.ダウン症候群
- 2.ウェルドニッヒ・ホフマン病
- 3.プラダー・ウィリー症候群
- 4.先天性筋強直性ジストロフィー
- 5.デュシェンヌ型筋ジストロフィー ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — デュシェンヌ型筋ジストロフィー
デュシェンヌ型筋ジストロフィーは乳児期に筋緊張低下を示さず、むしろ症状は2~3歳以降に顕在化する進行性筋疾患です。これに対し、選択肢1~4は全て乳児期に筋緊張低下(hypotonia)を特徴とする疾患であり、臨床的に重要な区別点となります。
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【各選択肢の解説】
1. ダウン症候群
❌ 誤り(乳児期に筋緊張低下あり)。ダウン症候群では新生児期から低緊張が見られ、易疲労性とともに発達遅滞を示す代表的な筋緊張低下疾患です。
2. ウェルドニッヒ・ホフマン病(SMA I型)
❌ 誤り(乳児期に筋緊張低下あり)。生後6ヶ月以内に発症する最も重篤なSMA型で、著しい筋力低下と筋萎縮を呈します。運動発達の停滞・座位獲得不可が特徴。
3. プラダー・ウィリー症候群
❌ 誤り(乳児期に筋緊張低下あり)。新生児期から「floppy infant」として低緊張が目立ち、吸啜力低下による哺乳困難が初発症状となることが多いです。思春期に過食・肥満がみられます。
4. 先天性筋強直性ジストロフィー
❌ 誤り(乳児期に筋緊張低下あり)。筋強直現象(relaxation delay)を示す疾患ですが、先天性型では逆に乳児期に低緊張が目立ち、寝たきり状態となることがあります。
5. デュシェンヌ型筋ジストロフィー
✅ 正しい。X連鎖劣性遺伝で男児のみ発症。乳児期は通常発育し、2~3歳頃から階段昇降困難・易転倒などの運動発達停滞が顕在化。初期には筋緊張低下は明らかでなく、筋力低下が前景に出ます。
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【試験対策ポイント】
乳児期の筋緊張低下疾患(Floppy Infant)の鑑別
| 疾患 | 発症時期 | 乳児期の筋緊張 | 特徴的所見 | 予後 |
|---|---|---|---|---|
| ダウン症候群 | 新生児期 | 低下 | 顔面奇形・心疾患・知的障害 | 生命予後は比較的良好 |
| SMA I型 | 6ヶ月以内 | 低下(著明) | 座位獲得不可・呼吸筋麻痺 | 不良(2歳以下死亡) |
| プラダー・ウィリー症 | 新生児期 | 低下 | 吸啜力低下・生殖器低形成 | 中等度→思春期肥満 |
| 先天性筋強直性DM | 新生児~乳児 | 低下 | 筋強直反応・呼吸困難 | 不良(乳児期死亡多い) |
| デュシェンヌ型DMD | 2~3歳 | **正常**(重要) | Gowers徴候・CK著増 | 進行性(10代で車椅子化) |
**重要な区別ポイント:**
- デュシェンヌ型DMDは「乳児期は正常」だが「幼児期に顕在化」→選択肢1~4と異なる
- 筋強直性ジストロフィー:「筋強直」という名称だが、先天性型では低緊張が前景
- SMA I型: