第26回 言語聴覚士国家試験 第109問
精神医学第26回
せん妄のリスク因子でないのはどれか。
- 1.若年者 ✓
- 2.認知症
- 3.アルコール多飲
- 4.全身麻酔の手術
- 5.薬物依存
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 若年者
せん妄は高齢者に圧倒的に多く、年齢が高いほどリスクが上昇します。若年者はむしろせん妄のリスクが低い群です。したがって、若年者は「リスク因子ではなく、リスク因子の反対」であり、この問題の正答となります。
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【各選択肢の解説】
1. 若年者
✅ 正しい(これがリスク因子ではない)。せん妄の発症率は加齢とともに上昇し、特に65歳以上で顕著です。若年者はせん妄のリスクが低いため、リスク因子ではありません。
2. 認知症
❌ 誤り。認知症はせん妄の最大級のリスク因子です。認知機能が既に低下している患者は、軽微な身体的ストレス(感染症、薬物、脱水など)でもせん妄を発症しやすくなります。
3. アルコール多飲
❌ 誤り。慢性的なアルコール多飲はせん妄の明確なリスク因子です。アルコール依存症患者は栄養不良、肝機能障害、神経障害があり、また急な断酒時の離脱症状がせん妄を引き起こします。
4. 全身麻酔の手術
❌ 誤り。全身麻酔と術後の状態(痛み、不眠、薬物投与)はせん妄の重要なリスク因子です。特に高齢者の手術後せん妄は頻発します。
5. 薬物依存
❌ 誤り。薬物依存はせん妄のリスク因子です。依存物質の急な中断(離脱症状)や過剰摂取、あるいは依存に伴う身体的合併症がせん妄を招きます。
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【試験対策ポイント】
せん妄の主要リスク因子:
| カテゴリ | 具体例 |
|---|---|
| 患者要因(最重要) | 高齢者、認知症、脳血管障害既往 |
| 身体疾患 | 感染症、脱水、心不全、糖尿病 |
| 薬物 | 抗コリン薬、オピオイド、鎮静薬、アルコール |
| 環境 | 手術(麻酔)、入院、ICU、不眠 |
せん妄と痴呆(認知症)の鑑別:
- せん妄:急性発症、変動性、意識障害、可逆的
- 認知症:緩徐進行、持続的、意識清明、不可逆的
年齢が「低い」ことは保護因子であり、リスク因子ではないという点を押さえることが重要です。