STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第26回 言語聴覚士国家試験 第113問

臨床神経学第26回
破傷風でみられないのはどれか。
  1. 1.痙攣
  2. 2.開口障害
  3. 3.感音難聴 ✓
  4. 4.構音障害
  5. 5.嚥下障害

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — 感音難聴 破傷風は破傷風菌の産生する神経毒素(テタノスパスミン)により全身の骨格筋が強直性に収縮する疾患です。神経障害は筋肉の随意的収縮の抑制解除にあり、聴覚器官である内耳の蝸牛機能には直接的な影響を与えません。感音難聴は破傷風の臨床症状ではなく、したがって「見られない」症状です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 痙攣 ✅ 正しい。破傷風の典型的症状です。テタノスパスミンが脊髄のGABA作動性抑制性ニューロンを障害し、脳脊髄での抑制が解除されるため、全身の筋肉が強い持続的収縮(テタヌス)を起こし、痙攣が頻発します。 2. 開口障害 ✅ 正しい。「ロックジョー(lock jaw)」と呼ばれる特徴的症状です。咬筋と側頭筋の強直収縮により口が開きにくくなります。破傷風の初期症状の一つとして重要です。 3. 感音難聴 ❌ 誤り。破傷風菌の神経毒素は脊髄・脳幹の抑制性ニューロンを選択的に障害するもので、内耳の蝸牛(聴覚器官)には作用しません。聴覚系は神経障害の対象外であり、破傷風患者に感音難聴は生じません。 4. 構音障害 ✅ 正しい。口輪筋、舌筋、咽頭筋などの強直収縮により、また開口障害に伴って構音が困難になります。言語明瞭度は低下します。 5. 嚥下障害 ✅ 正しい。咀嚼筋の強直と嚥下筋群(舌、咽頭筋)の収縮障害により嚥下困難が生じます。誤嚥のリスクも高まります。 --- 【試験対策ポイント】 破傷風の主症状(神経毒素による脊髄・脳幹障害) | 症状 | 機序 | 部位 | |---|---|---| | 開口障害(ロックジョー) | 咬筋・側頭筋強直 | 下顎 | | 痙攣 | GABA作動性ニューロン障害 | 脊髄・脳幹 | | 構音障害 | 口輪筋・舌筋収縮 | 言語運動 | | 嚥下障害 | 舌・咽頭筋収縮 | 嚥下機構 | | 感音難聴 | なし(蝸牛は無関係) | なし | 重要な否定知識:破傷風は聴覚機能(内耳)に影響しない→感音難聴は起こらない
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