STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第26回 言語聴覚士国家試験 第114問

臨床神経学第26回
顔面神経障害について正しいのはどれか。 a.麻痺が長期間続くと筋は委縮する。 b.頬筋枝損傷では口角挙上ができない。 c.側頭枝損傷では閉眼ができない。 d.急性麻痺の治療に遊離筋肉移植術がある。 e.陳旧性麻痺の治療に側頭筋移行術がある。 1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — a,b,e 顔面神経障害の治療選択肢と臨床症状を整理する問題です。顔面神経は5つの主要枝(側頭枝・頬枝・頬骨枝・下顎枝・頸枝)に分かれており、各枝損傷の症状と治療時期による対応が重要です。正答はa・b・eで、cは側頭枝損傷では「閉眼ができない」ではなく「前額皺寄せができない」、dは急性期に遊離筋肉移植術は行わないという誤りです。 --- 【各選択肢の解説】 a. 麻痺が長期間続くと筋は委縮する。 ✅ 正しい。顔面神経麻痺が長期間続くと、支配筋の脱神経萎縮が進行します。これは脱神経後の筋線維の萎縮現象で、治療の有無に関わらず生じる重要な合併症です。 b. 頬筋枝損傷では口角挙上ができない。 ✅ 正しい。頬筋(大頬骨筋など)は口角を挙上・外側に牽引する作用があり、頬筋枝損傷によりこの機能が消失します。口角が下垂したままになります。 c. 側頭枝損傷では閉眼ができない。 ❌ 誤り。側頭枝は前額皺寄せを支配する前頭筋に分布しており、側頭枝損傷では「前額皺寄せができない」が正しい。閉眼ができない(Bell現象消失含む)のは眼輪筋麻痺で、側頭枝ではなく頬骨枝損傷です。この区別は頻出です。 d. 急性麻痺の治療に遊離筋肉移植術がある。 ❌ 誤り。遊離筋肉移植術は「陳旧性麻痺」の治療で、筋肉の再神経支配がない状況での適応です。急性期(通常6ヶ月以内)は神経再生の可能性があるため、ステロイド・ビタミンB12・理学療法などの保存療法が先行します。 e. 陳旧性麻痺の治療に側頭筋移行術がある。 ✅ 正しい。側頭筋移行術は、顔面神経の再神経支配の可能性が失われた陳旧性麻痺患者の機能再建術です。側頭筋の筋腹と腱を口角挙上用に移行させます。遊離筋肉移植術と並ぶ陳旧性麻痺の標準的再建手術です。 --- 【試験対策ポイント】 顔面神経麻痺の症状:顔面神経5枝の支配領域 | 枝名 | 支配筋 | 損傷時の症状 | |---|---|---| | 側頭枝 | 前頭筋 | 前額皺寄せ消失 | | 頬骨枝 | 眼輪筋 | 閉眼困難・Bell現象消失 | | 頬枝 | 大頬骨筋・笑筋 | 口角挙上困難 | | 下顎枝 | 口輪筋 | 口すぼめ困難 | | 頸枝 | 僧帽筋上部 | 肩挙上困難 | 急性期(6ヶ月以内)vs 陳旧性期の治療選択 | 時期 | 治療方針 | 主要術式 | |---|---|---| | 急性期(6ヶ月以内) | 神経再生期待 | ステロイド・理学療法・電気刺激 | | 陳旧性期(6ヶ月以降) | 神経再生不可 | 側頭筋移行術・
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