STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第26回 言語聴覚士国家試験 第115問

形成外科学第26回
正しいのはどれか。 a.難治性の褥瘡は植皮で治癒する。 b.電撃傷では電気の流入部と流出部とに強い損傷を生じる。 c.電撃傷では心室細動や心停止を生じる。 d.誤飲による化学熱傷では嚥下障害を生じる。 e.化学熱傷の初期治療は中和剤塗布である。 1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — b,c,d 電撃傷と化学熱傷の特性、および褥瘡治療の原則を正しく理解できるかを問う問題です。特に電撃傷では「心電気的効果」と「熱傷」の2つの損傷機序を分けて考える必要があります。また化学熱傷では「流水での希釈」が最優先であり、中和剤塗布は禁忌に近い対応です。 --- 【各選択肢の解説】 a. 難治性の褥瘡は植皮で治癒する。 ❌ 誤り。難治性褥瘡の根本的原因は「除圧不足」「感染」「骨突出」にあります。植皮だけでは原因が残存するため、植皮前に壊死組織の清掃、感染制御、骨突出部の削除が必須です。単なる植皮は再発につながり、むしろ筋皮弁移植などの再建が必要な場合が多いのが実際です。 b. 電撃傷では電気の流入部と流出部とに強い損傷を生じる。 ✅ 正しい。電流は流入点(通常は手)と流出点(通常は足)に電熱を集中させるため、接触部位では組織の炭化や深部の凝固壊死が生じます。これは「電熱傷」として特に深部筋肉まで及び、表面の損傷以上に内部損傷が大きいのが特徴です。 c. 電撃傷では心室細動や心停止を生じる。 ✅ 正しい。電撃傷の最大の生命危機は「心電気的効果」であり、交流50Hz~100Hzで心室細動が誘発されやすい周波数帯です。直流でも高電圧では心停止が起こります。これは熱傷そのものとは別の機序であり、即座の心肺蘇生が必要です。 d. 誤飲による化学熱傷では嚥下障害を生じる。 ✅ 正しい。強酸・強アルカリの誤飲は食道粘膜に化学熱傷を起こし、急性期の浮腫と後期の瘢痕化により嚥下困難が著明です。食道狭窄は化学熱傷の代表的な後遺症であり、嚥下障害は避けられない合併症とされています。 e. 化学熱傷の初期治療は中和剤塗布である。 ❌ 誤り。化学熱傷の初期治療は「大量流水での希釈」が最優先です。中和剤塗布は発熱反応を起こしてさらに深い熱傷を招く危険があり、現代の熱傷治療ガイドラインではほぼ禁忌とされています。酸・アルカリともに「希釈が唯一の安全な方法」です。 --- 【試験対策ポイント】 電撃傷の2つの損傷機序 | 機序 | 特徴 | 対応 | |---|---|---| | 心電気的効果 | 心室細動・心停止 | 即座のAED・心肺蘇生 | | 電熱傷 | 流入・流出部の深部損傷 | 深部筋肉壊死モニタリング・マンニトール | 褥瘡治療の段階 1. 原因除去(除圧)→ 感染制御 → 壊死組織清掃 → その後に植皮/筋皮弁 化学熱傷の初期治療 - 禁忌:中和剤塗布(発熱反応で悪化) - 正解:流水希釈(15分以上)→ 眼は常に灌注状態を保つ 難治性褥瘡の定義 - 標準的治療(除圧・清掃・感染制御)に反応しないも
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