STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第26回 言語聴覚士国家試験 第116問

形成外科学第26回
片側完全唇顎口蓋裂患者において最も早期に行われる治療はどれか。
  1. 1.口唇形成術 ✓
  2. 2.口蓋形成術
  3. 3.咽頭弁形成術
  4. 4.顎裂骨移植
  5. 5.顎矯正手術

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 口唇形成術 唇顎口蓋裂患者では、生命予後と社会的適応を考慮し、口唇形成術が最初の治療段階となります。生後3ヶ月前後で行われる口唇形成(いわゆる「3の法則」)が、現在の標準的な治療序列の第1段階です。口唇閉鎖により以降の治療の基盤が整備されます。 --- 【各選択肢の解説】 1. 口唇形成術 ✅ 正しい。完全唇顎口蓋裂患者では最初に実施される手術。生後3ヶ月(体重5kg以上)で行われることが多く、口唇と鼻翼の形態と機能を回復させ、その後の顔面成長を良好にします。 2. 口蓋形成術 ❌ 誤り。口唇形成術の後に行われます。通常、生後9~12ヶ月で実施され、言語発達の時期を考慮した時間帯で計画されます。口蓋形成の時期が遅すぎると言語発達に支障をきたします。 3. 咽頭弁形成術 ❌ 誤り。口蓋形成後の二次的修正手術として行われます。口蓋裂の閉鎖が不十分で鼻咽頭の遮断が不完全な場合の補助手段であり、初期治療ではありません。 4. 顎裂骨移植 ❌ 誤り。顎裂(歯槽部の裂)に対する手術は、より後期に実施されます。通常、乳歯から永久歯への交換期(9~11歳)に行われ、最初の治療段階ではありません。 5. 顎矯正手術 ❌ 誤り。顎骨の成長が完成した後期(17~18歳以上)の成人期に行われます。顔面骨格の最終的な不正咬合を改善するための手術であり、初期治療ではありません。 --- 【試験対策ポイント】 唇顎口蓋裂の治療序列(「3の法則」と治療時期) | 治療段階 | 手術名 | 実施時期 | 目的 | |---|---|---|---| | 第1段階 | 口唇形成術 | 生後3ヶ月頃 | 口唇・鼻翼の形態機能回復 | | 第2段階 | 口蓋形成術 | 生後9~12ヶ月 | 鼻咽頭遮断・言語発達支援 | | 第3段階 | 歯槽裂骨移植 | 9~11歳(永久歯交換期) | 歯槽部の連続性回復 | | 第4段階 | 顎矯正手術 | 17~18歳以上 | 顔面骨格の最終修正 | | 補助的 | 咽頭弁形成術 | 口蓋形成後(必要に応じ) | 鼻咽頭遮断の補助 | 重要な否定知識: - 口蓋形成術が最初ではない(口唇が先行) - 骨移植は初期治療ではない - 顎矯正手術は成人期の最終段階 - 咽頭弁は二次的修正手段 口唇形成を急ぐ理由:授乳が容易になる、以後の顔面成長に好影響、心理社会的適応の向上
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