第26回 言語聴覚士国家試験 第120問
聴覚系第26回
正しいのはどれか。
- 1.キヌタ骨は鼓膜に接する。
- 2.中耳は換気機能を有する。 ✓
- 3.中耳伝音系には約 80 dBの音圧増強作用がある。
- 4.アブミ骨筋が収縮すると音の伝達は増幅される。
- 5.鼓膜は上皮層と粘膜層の 2 つの層で構成されている。
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 中耳は換気機能を有する。
中耳(鼓室)はユーステーキア管を通じて中咽頭と通じており、中耳内の空気圧を環境気圧と等しく保つ換気機能を有しています。この機能により鼓膜の振動性が維持されます。
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【各選択肢の解説】
1. キヌタ骨は鼓膜に接する。
❌ 誤り。キヌタ骨は鼓膜に接しません。鼓膜に接するのはハンマー骨(槌骨)です。キヌタ骨はハンマー骨とアブミ骨の間に位置し、その中間部材として機能します。
2. 中耳は換気機能を有する。
✅ 正しい。中耳(鼓室)はユーステーキア管を通じて中咽頭と連絡しており、中耳腔内の気圧を調整する換気機能を持ちます。この機能が障害されると滲出性中耳炎が生じます。
3. 中耳伝音系には約 80 dBの音圧増強作用がある。
❌ 誤り。中耳伝音系の音圧増強作用は約30 dB(または25~30 dB)です。80 dBは過度に大きい値です。この増強は、鼓膜の振動面積とアブミ骨底板の面積比、および骨小骨のテコ作用により生じます。
4. アブミ骨筋が収縮すると音の伝達は増幅される。
❌ 誤り。アブミ骨筋(鐙骨筋)が収縮すると、むしろ音の伝達は減弱されます。これは音響反射(サーチライト反射)として知られ、大きな音から内耳を保護する防御機構です。
5. 鼓膜は上皮層と粘膜層の 2 つの層で構成されている。
❌ 誤り。鼓膜は3層で構成されています:外層(外上皮層)、中層(繊維性層)、内層(粘膜層)。繊維性層がなく2層だけという記述は誤りです。
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【試験対策ポイント】
中耳の構造と機能(よく出題される内容)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ハンマー骨 | 鼓膜に接する(唯一の直接接触) |
| キヌタ骨 | ハンマー骨とアブミ骨の中間 |
| アブミ骨 | 卵円窓に接する |
| 音圧増強 | 約30 dB(80 dBではない) |
| ユーステーキア管 | 換気・圧平衡機能 |
| アブミ骨筋反射 | 収縮時:音伝達減弱(保護機能) |
鼓膜の3層構成
- 外層:外上皮層(単層円柱上皮)
- 中層:繊維性層(膠原繊維・弾性繊維)
- 内層:粘膜層(立方上皮)
頻出否定知識
- キヌタ骨は鼓膜に「接さない」
- アブミ骨筋収縮は音「減弱」
- 中耳伝音系のゲイン=30 dB(80 dBは誤り)