STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第26回 言語聴覚士国家試験 第121問

聴覚系第26回
正しいのはどれか。 a.下丘の神経線維は外側膝状体を経て聴放線となる。 b.上オリーブ核の神経線維は内側毛帯を経て下丘に至る。 c.蝸牛神経核の神経線維の一部は対側の上オリーブ核に至る。 d.ラセン神経節細胞からの樹状突起は内有毛細胞にシナプス結合する。 e.上オリーブ核からの遠心性神経線維は外有毛細胞にシナプス結合する。 1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — c,d,e 聴覚伝導路(蝸牛核→下丘→中脳丘脳体)の解剖学的経路、そしてラセン神経節と外有毛細胞の遠心性制御が出題される典型的な問題です。本問は中枢聴覚系と末梢聴覚制御の両方を問うており、経路の方向性や中継核の同定が鍵となります。 --- 【各選択肢の解説】 a. 下丘の神経線維は外側膝状体を経て聴放線となる。 ❌ 誤り。下丘からの線維は「内側膝状体」(MGB:Medial Geniculate Body)を経由して聴放線となります。外側膝状体は視覚中継核です。聴覚伝導路の中継核の同定は基本知識であり、ここで外側と誤記する受験生は多いため注意が必要です。 b. 上オリーブ核の神経線維は内側毛帯を経て下丘に至る。 ❌ 誤り。上オリーブ核から下丘への線維は「内側毛帯」ではなく、「脳幹の背内側」を経由して上行します。内側毛帯は脊髄(脊髄視床路など体性感覚)や三叉神経脊髄路の中継路であり、聴覚経路ではありません。上オリーブ核は両側の蝸牛核からの入力を受けて音源定位を担当する核ですが、その出力経路との混同は典型的な誤りです。 c. 蝸牛神経核の神経線維の一部は対側の上オリーブ核に至る。 ✅ 正しい。蝸牛神経核(三分される)からの遠心線維は「両側性」に上オリーブ核に投射します。特に腹側蝸牛核は両側の上オリーブ核に大量に投射し、両耳時間差(ITD)と両耳レベル差(ILD)の処理を可能にします。音源定位に不可欠な両側性投射であり、聴覚伝導路の重要なポイントです。 d. ラセン神経節細胞からの樹状突起は内有毛細胞にシナプス結合する。 ✅ 正しい。ラセン神経節(蝸牛神経の細胞体)からの遠心突起が内有毛細胞にシナプスを形成します。内有毛細胞は聴覚受容器として蝸牛神経求心性線維(樹状突起)を受け取りますが、その樹状突起がラセン神経節から出たものです。遠心性制御では上オリーブ核からのコリン作動性線維も内有毛細胞に投射し、感覚入力を調整します。 e. 上オリーブ核からの遠心性神経線維は外有毛細胞にシナプス結合する。 ✅ 正しい。上オリーブ核からのコリン作動性遠心線維が外有毛細胞(OHC)の基部にシナプス結合し、OHCの収縮を調節して聴覚感度を制御します。これは能動的な音響増幅機構(cochlear amplification)の一部であり、外有毛細胞の運動性を制御する重要な遠心制御経路です。内有毛細胞ではなく「外有毛細胞」が遠心性制御の主要ターゲットであることが試験出題の要点です。 --- 【試験対策ポイント】 聴覚伝導路(上行性): 蝸牛神経 → 蝸牛神経核 → 上オリーブ核(両側性) → 下丘 → 内側膝状体 → 聴皮質 中継核の中脳レベルでの誤認注意: 外側膝状体(視覚)
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