第26回 言語聴覚士国家試験 第122問
神経系第26回
上位運動ニューロンが障害されたときの症候はどれか。
a.振戦
b.舞踏運動
c.腱反射亢進
d.バビンスキー徴候
e.線維束性収縮
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — c,d
上位運動ニューロン(錐体路)が障害されると、下位運動ニューロンを抑制する機構が失われるため、腱反射が亢進し、病的反射(バビンスキー徴候)が出現します。振戦、舞踏運動、線維束性収縮はすべて下位運動ニューロン障害またはその他の神経系障害の特徴です。
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【各選択肢の解説】
a.振戦
❌ 誤り。振戦は下位運動ニューロン障害ではなく、錐体外路系(黒質線条体系)やその他の中枢神経障害で出現します。例えばパーキンソン病(安静時振戦)やEssential tremor(姿勢時振戦)。上位運動ニューロン障害では振戦は出現しません。
b.舞踏運動
❌ 誤り。舞踏運動(Chorea)はハンチントン病やシデナム舞踏病などで見られ、錐体外路系(特に線条体)の障害による不随意運動です。上位運動ニューロン障害では出現しません。
c.腱反射亢進
✅ 正しい。上位運動ニューロン障害では、脊髄の反射弧に対する下行性抑制入力が失われるため、腱反射(深部腱反射)が亢進(hyperreflexia)します。これは上位運動ニューロン障害の最も特徴的な所見です。
d.バビンスキー徴号
✅ 正しい。足底を刺激したとき、足の母趾が背側方向に反応する病的反射です。上位運動ニューロン障害(脳卒中、脳腫瘍、脳脊髄炎など)で陽性化します。生後12〜18ヶ月までは生理的に陽性ですが、その後は異常所見です。
e.線維束性収縮
❌ 誤り。線維束性収縮(Fasciculation)は筋肉が細かく不規則に収縮する現象で、下位運動ニューロン障害(特にALSなどの脊髄前角細胞病変)の特徴です。上位運動ニューロン障害では出現しません。
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【試験対策ポイント】
上位運動ニューロン障害 vs 下位運動ニューロン障害の鑑別
| 所見 | 上位運動ニューロン | 下位運動ニューロン |
|---|---|---|
| 腱反射 | 亢進 | 低下/消失 |
| 筋緊張 | 亢進(痙縮) | 低下(弛緩) |
| 筋萎縮 | なし/軽度・遅発 | あり(著明・急速) |
| 線維束性収縮 | なし | あり |
| バビンスキー徴号 | 陽性 | 陰性 |
| 分布 | 同側(顔面除く) | 局所的 |
上位運動ニューロン障害の代表的な原因:脳卒中、脳腫瘍、脳脊髄炎、脊髄損傷、多発性硬化症
下位運動ニューロン障害の代表的な原因:ALS、ギラン・バレー症候群、末梢神経障害、顔面神経麻痺
重要:腱反射亢進とバビンスキー徴号は上位運動ニューロン障害の二大特徴