STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第26回 言語聴覚士国家試験 第130問

臨床心理学第26回
Rogers, C. が提唱した治療者の 3 つの条件はどれか。 a.実証性を重視する姿勢 b.無条件の肯定的関心 c.共感的理解 d.純粋性 e.外向性 1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — b,c,d(無条件の肯定的関心、共感的理解、純粋性) Rogers(カール・ロジャーズ)が提唱した「人間中心療法(クライアント中心療法)」では、治療関係を成立させるために治療者に必要な3つの条件を明示しました。これらは「治療的な個性(therapist's personality)」として重視され、カウンセリングの有効性を左右する基本的な姿勢です。 --- 【各選択肢の解説】 a. 実証性を重視する姿勢 ❌ 誤り。これはRogersの理論に含まれません。むしろRogersは「実証性よりも関係性の質」を重視する立場です。実証性の強調は行動療法や認知療法など、より科学的・測定的なアプローチに属します。 b. 無条件の肯定的関心(Unconditional Positive Regard) ✅ 正しい。治療者がクライアントのあらゆる側面を、評価や批判なしに受け入れる姿勢です。クライアントが「どのような状態であっても価値がある」と感じることで、心理的安全感が生まれます。 c. 共感的理解(Empathic Understanding) ✅ 正しい。治療者がクライアントの内的世界を、あたかで自分事のように理解し、その理解を伝える能力です。単なる同情(sympathy)ではなく、クライアントの主観的世界に深く入り込む能力を指します。 d. 純粋性(Congruence) ✅ 正しい。治療者が自分の本来の姿勢と一致している状態、つまり「自分が感じていることと、クライアントに示している態度が合致している」ことを意味します。セラピストが誠実で、ありのままの自分でいることが治療の土台になります。 e. 外向性 ❌ 誤り。Rogersの理論に外向性は含まれません。これはパーソナリティ心理学(例:Big Five)の領域です。治療者に必要なのは性格特性ではなく、クライアントとの関係性における「姿勢」や「態度」です。 --- 【試験対策ポイント】 Rogers理論の「治療的3条件」 | 条件 | 内容 | キーワード | |---|---|---| | 無条件の肯定的関心 | あらゆるクライアントを評価なく受け入れる | 受容・共感的環境 | | 共感的理解 | クライアントの主観世界をそのまま理解する | 内的参照枠・理解 | | 純粋性(一致性) | セラピストが誠実で本来の姿勢を保つ | 真正性・透明性 | 紛らわしい概念の区別 - 同情(sympathy)≠ 共感(empathy)→ 共感は「クライアントの世界へ入り込む」 - 実証性は「治療の内容」を評価する方法論であり「治療者の姿勢」ではない - 外向性は「パーソナリティ特性」であり、治療関係には直接必要ない Rogersの人間中心療法の特徴 - 疾病モデルではなく「人間の可能性」を信じる成長モデル - クライアント自身が自分の最良の専門家という前提 - 診断や解釈よりも「関係性の質」を重視
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