第26回 言語聴覚士国家試験 第133問
言語発達学第26回
共同注意について正しいのはどれか。
- 1.社会的参照が出現した後に出現する。
- 2.幼児期以降、成長に伴い消失する。
- 3.自己と他者の二項関係の理解が成立の十分条件である。
- 4.定型発達の場合 12 か月ころに出現する。
- 5.心の理論の獲得の基盤となる。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 心の理論の獲得の基盤となる。
共同注意は、他者と同じ対象に注意を向け、その対象についての共通理解を成立させる能力です。自分と他者が同じものを見て、心的状態を共有することで、他者に心があり異なる考えを持つことを理解する「心の理論」へと発展します。共同注意はこの発達の重要な基盤となります。
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【各選択肢の解説】
1. 社会的参照が出現した後に出現する。
❌ 誤り。共同注意(9か月頃)は社会的参照(12か月以降)より先に出現します。むしろ共同注意が社会的参照の基盤となります。時系列を誤認しやすい選択肢です。
2. 幼児期以降、成長に伴い消失する。
❌ 誤り。共同注意は幼児期以降も継続して機能します。むしろ成長とともに、より複雑な対象や抽象的な概念についての共同注意へと拡大します。「消失する」という発想は発達心理学的に誤りです。
3. 自己と他者の二項関係の理解が成立の十分条件である。
❌ 誤り。共同注意の成立には「自己と他者と対象の三項関係」の理解が必要です。二項関係(自分と他者のやりとり)だけでは不十分で、「対象」も含めた三項関係が成立の基盤です。
4. 定型発達の場合12か月ころに出現する。
❌ 誤り。共同注意は通常9~10か月ころに出現します。12か月ころは、共同注意がより洗練される時期ですが、初出現時期としては誤りです。指差しによる共同注意の発達も含めて整理が必要です。
5. 心の理論の獲得の基盤となる。
✅ 正しい。共同注意を通じて「他者も自分と同じように世界を認識し、異なる心的状態を持つ」という理解が形成され、これが心の理論(他者の心を推測する能力)へと発展します。発達心理学における重要な基盤です。
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【試験対策ポイント】
共同注意の発達段階:
| 月齢 | 発達段階 | 特徴 |
|---|---|---|
| 6~8か月 | 関心の共有の萌芽 | 視線追従(他者の視線方向を見る) |
| 9~10か月 | **共同注意の出現** | 対象→他者の顔→対象と視線が動く(三項関係)|
| 12~15か月 | 指差しによる共同注意 | 人差し指での指差し開始 |
| 18か月以降 | 社会的参照 | 不安な状況で他者の感情を参照 |
共同注意と関連概念の区別:
| 概念 | 時期 | 内容 |
|---|---|---|
| 関心の共有 | 6~8か月 | 他者の視線方向を追う(二項) |
| **共同注意** | 9~10か月 | 対象と他者心的状態の共有(三項) |
| 社会的参照 | 12か月以降 | 不確実な状況での他者の反応参照 |
| 心の理論 | 3~4歳 | 他者の信念・意図の理解 |
キーワード:
- 三項関係の成立(自己・他者・対象)
- 他者心的状態への初期的理解
- 心の理論への直接的な基盤
- 9~10か月が初出現時期(頻出誤答ポイント)