第26回 言語聴覚士国家試験 第139問
音響学第26回
短時間フーリエ変換を利用した周波数分析で時間窓長を長くしたときの変化で正しいのはどれか。
- 1.時間分解能、周波数分解能が良くなる。
- 2.時間分解能、周波数分解能は変わらない。
- 3.時間分解能は良くなるが、周波数分解能は変わらない。
- 4.時間分解能は悪くなるが、周波数分解能は良くなる。 ✓
- 5.時間分解能は悪くなるが、周波数分解能は変わらない。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 時間分解能は悪くなるが、周波数分解能は良くなる。
短時間フーリエ変換(STFT)では、時間窓長と周波数分解能は相互にトレードオフの関係にあります。窓長を長くすると、周波数分解能は向上(スペクトラムの周波数軸の細かさが増す)しますが、その代わりに時間分解能は低下します。これは音響分析において最も重要な原理の一つです。
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【各選択肢の解説】
1. 時間分解能、周波数分解能が良くなる。
❌ 誤り。時間窓長を長くすると、周波数分解能は良くなりますが、時間分解能は逆に悪くなります。両方同時に向上することはありません。
2. 時間分解能、周波数分解能は変わらない。
❌ 誤り。窓長の変化は両方の分解能に影響します。何も変わらないわけではありません。
3. 時間分解能は良くなるが、周波数分解能は変わらない。
❌ 誤り。実際には逆です。窓長を長くすると時間分解能は悪くなります。また周波数分解能も変わります。
4. 時間分解能は悪くなるが、周波数分解能は良くなる。
✅ 正しい。これがSTFTの本質的なトレードオフです。長い窓で周波数特性はより詳細に見えますが、いつその周波数が現れたかという時間情報は曖昧になります。
5. 時間分解能は悪くなるが、周波数分解能は変わらない。
❌ 誤り。窓長を長くすれば周波数分解能は明らかに向上します。周波数分解能が変わらないわけではありません。
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【試験対策ポイント】
時間窓長と分解能の関係(最頻出)
| 窓長を「長く」した場合 | 結果 |
|---|---|
| 周波数分解能 | **向上**(周波数軸の粒度が細かくなる) |
| 時間分解能 | **低下**(どの時点か判断しづらくなる) |
| 周波数スペクトラムピーク | より鋭くなる |
| 時間応答 | ぼやけて見える |
キーワード:「時間周波数分解能のトレードオフ」
- 窓長が短い → 時間分解能は良いが、周波数分解能は悪い
- 窓長が長い → 周波数分解能は良いが、時間分解能は悪い
実務での応用:
- 音声分析(フォルマント追跡):短窓推奨(時間的な変化を追う)
- スペクトラム分析(周波数特性評価):長窓推奨(正確な周波数測定)