第26回 言語聴覚士国家試験 第146問
言語発達学第26回
読みの発達で謝っているのはどれか。
- 1.1 音節に 1 文字が対応しないかな文字の読みは習得が遅れる。
- 2.読解にはボトムアップとトップダウンの両アプローチが関与している。
- 3.語彙の豊富さは学童期を通じて子どもの読解能力と関連がある。
- 4.かな文字の習得が早いと読解力が高い傾向は、小学校高学年になっても持続する。 ✓
- 5.ひらがな読みの方略は、小学校低学年期に非語彙処理から語彙処理へ変更される。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — かな文字の習得が早いと読解力が高い傾向は、小学校高学年になっても持続する。
読みの発達段階に関する重要な知識です。かな文字習得の速さと読解力の関連は、学年段階によって異なります。小学校低学年では習得速度と読解力に相関がありますが、高学年では語彙や文法理解など他の要因が読解能力の主要な決定要因となるため、かな習得速度との関連は減弱します。したがって、この傾向が「小学校高学年になっても持続する」という記述は誤りです。
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【各選択肢の解説】
1. 1音節に1文字が対応しないかな文字の読みは習得が遅れる。
✅ 正しい。「ん」「きゃ」などのように1音節に1文字が対応しないかな文字(拗音・撥音)は、明確な規則性が低いため習得が遅れることが知られています。
2. 読解にはボトムアップとトップダウンの両アプローチが関与している。
✅ 正しい。現代の読解モデル(相互作用的読解モデル)では、文字認識など下位レベルの処理(ボトムアップ)と、既有知識や文脈を活用した上位レベルの処理(トップダウン)の両方が統合されて読解が成立します。
3. 語彙の豊富さは学童期を通じて子どもの読解能力と関連がある。
✅ 正しい。語彙量は読解能力の強力な予測因子であり、小学校全体を通じて持続的に読解成績と正の相関を示します。特に高学年では文章理解への寄与が大きくなります。
4. かな文字の習得が早いと読解力が高い傾向は、小学校高学年になっても持続する。
❌ 誤り。低学年では文字習得速度と読解力に相関がありますが、高学年では語彙知識・文法理解・推論能力といった言語能力の高次側面がより重要な役割を果たすようになり、かな習得速度との関連は減弱します。
5. ひらがな読みの方略は、小学校低学年期に非語彙処理から語彙処理へ変更される。
✅ 正しい。読み習得初期は音読規則に基づいた非語彙的処理(文字から音へのルール適用)が使用されますが、学習進行に伴い、単語としての知識を直接検索する語彙的処理へシフトしていきます。
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【試験対策ポイント】
読みの発達段階と関連要因
| 発達段階 | 主な処理方略 | 読解に関連する要因 | 習得スピードとの関連 |
|---|---|---|---|
| 低学年 | 非語彙処理(規則適用)→語彙処理へ移行 | 文字習得速度が大きく影響 | **強い相関あり** |
| 中・高学年 | 語彙処理が主流 | 語彙量・文法知識・背景知識 | **相関減弱** |
かな文字習得に影響する要因
- 拗音(きゃ・しゅ)・撥音(ん):習得が遅い→複数の音が1文字に対応
- 助詞(は、を、へ):特殊習得が必要
- ひらがな vs 漢字:通常ひらがなが先に習得される
読解モデルの統合
- ボトムアップ:文字認識→音韻処理→単語認識
- トップダウン:文脈・既有知識・予測
- 両者の相互作用が読解を成立させる