第26回 言語聴覚士国家試験 第153問
心理測定法第26回
2000 年、2005 年、2010 年に、ある小学校に入学した児童全員を対象に言語検査を 5 年間にわたり実施した。
この研究法はどれか。
- 1.ランダム化比較試験
- 2.準実験
- 3.コホート研究 ✓
- 4.症例比較研究
- 5.相関研究
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — コホート研究
この研究は、2000年、2005年、2010年に入学した児童群(コホート)を5年間にわたり追跡し、言語発達の変化を観察するものです。異なる時点で入学した複数の集団を長期間フォローアップする前向き研究の典型であり、コホート研究の定義に合致します。
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【各選択肢の解説】
1. ランダム化比較試験
❌ 誤り。この研究に介入(治療や教育プログラム)がなく、また被験者をランダムに異なるグループに割り当てていません。単なる観察研究であり、比較試験ではありません。
2. 準実験
❌ 誤り。準実験は研究者が意図的に独立変数を操作(介入)しますが、対照群がない、またはランダムに割り当てられていない設計です。本問は児童に対する介入がなく、純粋な観察研究です。
3. コホート研究
✅ 正しい。特定の時点(2000年、2005年、2010年の入学年)に定義されたコホート(集団)を長期間追跡し、言語発達という成果を観察する前向きの観察研究です。これはコホート研究の典型的な設計です。
4. 症例比較研究
❌ 誤り。症例比較研究は「疾患がある群」と「ない群」を後ろ向きに比較するケースコントロール研究を指します。本問は健全な児童集団の発達を前向きに追跡するもので、症例対照の構造ではありません。
5. 相関研究
❌ 誤り。相関研究は2つ以上の変数間の関連性(相関係数)を調べるものです。本問は特定の集団を時系列で追跡観察するもので、変数間の相関を主目的としていません。
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【試験対策ポイント】
観察研究の分類と特徴
| 研究法 | 方向性 | 群の設定 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| コホート研究 | 前向き | 曝露/非曝露群 | 対象を追跡、成果発生まで観察 |
| ケースコントロール研究 | 後ろ向き | 疾患有/無群 | 疾患から原因を遡って検索 |
| 横断研究 | 横断的 | 単一時点 | 同時点での有病率調査 |
| 相関研究 | - | - | 変数間の相関係数を算出 |
| 準実験 | 前向き | 介入有/無群 | 研究者が操作するが対照がない |
| RCT | 前向き | ランダムに割り当て | 最高の証拠水準 |
本問の関键ポイント
コホート研究の判定基準:
- 「複数の入学年」→複数コホートの設定✓
- 「5年間にわたり実施」→追跡(前向き)✓
- 「検査を実施」→成果(言語発達)の観察✓
- 「言語検査」→曝露・疾患の判定(全員実施で区別なし)→純粋追跡型
紛らわしい区別
- 「準実験」との違い:この研究に研究者による意図的な操作(教育プログラムの実施など)がないことが決定的
- 「症例比較」との違い:対象が健全児(全員)であり、疾患の有無で群分けしていない
キーワード
前向き追跡調査=コホート研究の本質