STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第26回 言語聴覚士国家試験 第155問

失語症第26回
課題と必要な言語機能との関連について誤っている組合せはどれか。 a. 呼称 ──── 文字想起 b. 非語復唱 ──── 意味理解 c. 長文の理解 ──── 統語理解 d. 不規則語の音読 ──── 単語の語彙・意味処理 e. 仮名1文字の書き取り ──── 語音認知 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:1番

解説
# 第26回 第155問 解説 ■ 正答:1番 — a,b この問題は、言語機能検査の課題と、その遂行に必要な言語機能の対応関係を理解しているかを問うています。「誤っている組合せ」を選ぶため、各課題が本来どの機能を必要とするかを正確に判断する必要があります。aは「語彙想起・音韻想起」が必要で文字想起ではなく、bは非語であるため意味理解は不要であり、この2つが誤った組合せとなります。 --- 【各選択肢の解説】 a. 呼称 ──── 文字想起 ❌ 誤り。呼称(対象物を見て名前を言う課題)に必要なのは**意味処理・語彙想起・音韻想起**であり、「文字想起」ではありません。文字想起は書字課題に関わる機能です。呼称は口頭での命名なので、文字を想起する必要はありません。 b. 非語復唱 ──── 意味理解 ❌ 誤り。非語(「ラビタ」など意味を持たない音韻列)の復唱には**音韻短期記憶・音韻処理**が必要で、意味理解は関与しません。むしろ非語復唱は意味処理を介さない経路(非語彙ルート)の評価に用いられます。 c. 長文の理解 ──── 統語理解 ✅ 正しい。長文では助詞・語順・受動態などの統語構造を処理する必要があるため、統語理解が必須です。 d. 不規則語の音読 ──── 単語の語彙・意味処理 ✅ 正しい。不規則語(例:「行方(ゆくえ)」など)は文字-音対応規則では読めないため、**語彙経路(意味処理)**を介して音読する必要があります。 e. 仮名1文字の書き取り ──── 語音認知 ✅ 正しい。仮名1文字の書き取りは、聞いた音(モーラ)を正確に同定する**語音認知**が基盤となります。語音認知が障害されると仮名の聴覚的書字が困難になります。 --- 【試験対策ポイント】 各課題と必要な言語機能の対応は頻出。整理して覚えること: | 課題 | 必要な機能 | |---|---| | **呼称** | 意味処理・語彙想起・音韻想起(×文字想起) | | **非語復唱** | 音韻短期記憶(×意味理解) | | **語復唱** | 音韻処理+語彙知識 | | **長文理解** | 統語理解 | | **不規則語音読** | 語彙・意味処理(語彙ルート) | | **規則語・非語音読** | 文字-音対応規則(非語彙ルート) | | **仮名1文字書字** | 語音認知 | 二重経路モデル(**語彙ルート vs 非語彙ルート**)の理解は音読課題で必須。不規則語=語彙ルート、非語=非語彙ルートと押さえておくこと。「非語処理に意味は不要」「呼称に文字想起は不要」など、**否定形の知識**で覚えると間違えにくい。
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