STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第26回 言語聴覚士国家試験 第157問

失語症第26回
言語野孤立症候群と呼ばれるのはどれか。
  1. 1.全失語
  2. 2.皮質下性失語
  3. 3.交叉性失語
  4. 4.超皮質性運動失語
  5. 5.混合型超皮質性失語 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 混合型超皮質性失語 言語野孤立症候群(isolation of the speech area)は、ブローカ野とウェルニッケ野を含む周辺皮質の言語野全体は温存されるが、周囲の非言語皮質との機能的な連絡が遮断された状態です。その結果、復唱は保持されるが、自発話・理解ともに著しく障害されるため、混合型超皮質性失語の定義と一致します。 --- 【各選択肢の解説】 1. 全失語 ❌ 誤り。全失語では言語野そのものが広範に破壊されており、言語野孤立症候群とは異なる病態です。言語野孤立症候群は言語野が保存されることが本質的な特徴です。 2. 皮質下性失語 ❌ 誤り。皮質下性失語は言語野周辺の白質や基底核の損傷によるもので、言語野孤立症候群のように周辺皮質と言語野の連絡遮断という機制ではありません。 3. 交叉性失語 ❌ 誤り。交叉性失語は右利きの患者が右半球損傷で失語を呈する稀な現象であり、言語野孤立症候群とは別の概念です。 4. 超皮質性運動失語 ❌ 誤り。超皮質性運動失語は理解・復唱は保持されますが、自発話のみが障害されます。言語野孤立症候群は理解も著しく障害されるため、混合型(自発話・理解ともに不良)と呼ばれます。 5. 混合型超皮質性失語 ✅ 正しい。言語野孤立症候群は超皮質性運動失語と超皮質性感覚失語の両方の特徴を示します。復唱は著しく保持される(言語野が機能している証拠)一方で、自発話・理解ともに重度に障害されます。 --- 【試験対策ポイント】 超皮質性失語の3分類と言語野孤立症候群の位置づけ | タイプ | 自発話 | 理解 | 復唱 | 損傷部位 | 特徴 | |---|---|---|---|---|---| | 超皮質性運動失語 | 不良 | 良好 | 良好 | 言語野外側 前方 | 自発話のみ障害 | | 超皮質性感覚失語 | 良好 | 不良 | 良好 | 言語野外側 後方 | 理解のみ障害 | | **混合型超皮質性失語=言語野孤立症候群** | **不良** | **不良** | **良好** | **言語野周囲 全域** | **両方障害されるが復唱保持** | 鍵となる知識: - 「孤立」=言語野自体は保存、周囲との連絡が遮断 - 復唱の保持が最大の診断根拠(言語野内部の機能は残存) - 自発話・理解の重度障害=混合型 - MRI/CTでは言語野周囲の広範な皮質損傷が認められる
関連

▶ 第26回 全問一覧

▶ 失語症 の過去問一覧