第26回 言語聴覚士国家試験 第159問
失語症第26回
機能再編成法に当てはまるのはどれか。
- 1.環境調整を行う。
- 2.名前の書字を繰り返し行う。
- 3.語頭音ヒントで呼称を促す。
- 4.描画を代償手段として用いる。
- 5.キーワード法で仮名書字訓練を行う。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — キーワード法で仮名書字訓練を行う
機能再編成法は、脳損傷後に残存する脳領域を活用して、失われた機能を再構築する訓練方法です。キーワード法は、覚えたい単語と視覚的・音韻的に関連した「キーワード」を意識的に使用し、脳内で新しい神経ネットワークを形成させることで、失語症者の記憶や命名機能を再構築します。仮名書字訓練もこの原理に基づいており、繰り返しの訓練を通じて損傷された言語中枢の周辺領域を活性化させ、機能を再構築することを目指しています。
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【各選択肢の解説】
1. 環境調整を行う。
❌ 誤り。これは「代償戦略法」に分類されます。患者の周囲環境を整備し、残存能力で社会参加を支援する方法で、脳の機能再編成を目指すものではなく、環境側の工夫による補完です。
2. 名前の書字を繰り返し行う。
❌ 誤り。これは「直接訓練法(反復訓練)」です。損傷された機能そのものを繰り返し練習することで回復を促す方法ですが、脳の新たな領域を活用して機能を再構築するわけではありません。
3. 語頭音ヒントで呼称を促す。
❌ 誤り。これは「代償戦略法」です。残存している音韻処理能力をキューとして活用し、命名困難を補助する方法であり、脳の機能再構築ではなく外的キューによる支援です。
4. 描画を代償手段として用いる。
❌ 誤り。これは「代償戦略法」です。言語以外のモダリティ(視覚・運動)を代替手段として使用することで、コミュニケーション支援を行うもので、機能再編成ではありません。
5. キーワード法で仮名書字訓練を行う。
✅ 正しい。キーワード法は、関連キーワードを媒介として言語機能を再構築する訓練法です。反復的な意識的処理を通じて、損傷部位の周辺脳領域が新たに活性化され、言語機能が再構築される機能再編成を実現します。
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【試験対策ポイント】
失語症訓練法の分類
| 訓練法の種類 | 定義 | 具体例 |
|---|---|---|
| 直接訓練法 | 損傷機能そのものを反復練習 | 名前の書字反復、音読反復 |
| 機能再編成法 | 残存領域を活用し脳内ネットワークを再構築 | キーワード法、仮名書字訓練(意識的・媒介的訓練) |
| 代償戦略法 | 残存能力で環境を工夫・補完 | 語頭音ヒント、描画代用、環境調整 |
機能再編成法の要点:
- 「意識的な処理」「媒介的な学習」を含む訓練
- 脳の新たな領域の活性化を促す
- 単なる反復練習(直接訓練法)ではない
- 単なる環境工夫(代償戦略法)ではない
- キーワード法・イメージ訓練・連想訓練などが該当
紛らわしい選択肢の見分け方:
- 「ヒント」「代替手段」「環境」キーワード=代償戦略法と判断
- 「繰り返し」「反復」単独=直接訓練法と判断
- 「媒介」「関連付け」「構築」キーワード=機能再編成法と判断