第26回 言語聴覚士国家試験 第161問
高次脳機能障害第26回
ゲルストマン症候群に含まれない症状はどれか。
- 1.手指失認
- 2.左右障害
- 3.失算
- 4.失読 ✓
- 5.失書
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 失読
ゲルストマン症候群は、優位半球(通常は左半球)の角回を中心とした領域の損傷で現れる4つの特異的症状の組み合わせです。その4症状は「手指失認」「左右障害」「失算」「失書」であり、失読は含まれません。失読は角回より前方の縁上回損傷で生じやすく、ゲルストマン症候群の定義的特徴ではないのです。
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【各選択肢の解説】
1. 手指失認
✅ 正しい。手指失認(finger agnosia)はゲルストマン症候群の4症状の1つで、自分の手指を認識できない障害です。指を数えたり、指された指を同定できません。
2. 左右障害
✅ 正しい。左右障害(right-left disorientation)はゲルストマン症候群の4症状の1つで、身体の左右を判別できない障害です。「右手で左耳を触ってください」という命令に従えません。
3. 失算
✅ 正しい。失算(acalculia)はゲルストマン症候群の4症状の1つで、計算能力の喪失です。数字の認識や四則演算ができなくなります。
4. 失読
❌ 誤り。失読(alexia)はゲルストマン症候群に含まれません。失読は主に左角回より前方の縁上回や、視覚中枢から角回への線維束の損傷で生じ、別の症候群として扱われます。
5. 失書
✅ 正しい。失書(agraphia)はゲルストマン症候群の4症状の1つで、書字能力の喪失です。左手書字も障害されることが特徴です。
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【試験対策ポイント】
ゲルストマン症候群の4症状(覚え方:「手指・左右・失算・失書」)
| 症状 | 内容 | 障害される機能 |
|---|---|---|
| 手指失認 | 自分の手指を認識・識別できない | 身体スキーマ |
| 左右障害 | 身体部位の左右を判別できない | 空間認識・方向性 |
| 失算 | 計算能力の喪失 | 数字処理・抽象思考 |
| 失書 | 書字能力の喪失 | 運動性書字制御 |
損傷部位:左優位半球の角回(supramarginal gyrus周辺)
紛らわしい概念との区別
失読との区別:
- ゲルストマン症候群に含まれる失書=「書く」能力喪失
- ゲルストマン症候群に含まれない失読=「読む」能力喪失
- 失読は視覚中枢~角回の線維障害で、別のシンドロームとして扱われる
頻出の引っかけ:「失読」「失語」「失行」などが選択肢に混在していても、ゲルストマン症候群の定義4症状ではないため除外する必要があります。