STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第26回 言語聴覚士国家試験 第182問

運動障害性構音障害第26回
誤っている組合せはどれか。
  1. 1.声量の低下 —————————— 重症筋無力症
  2. 2.語音の延長 —————————— ハンチントン病
  3. 3.イントネーションの平板化 ——— パーキンソン病
  4. 4.アクセントの不規則な変化 ——— 脊髄小脳変性症
  5. 5.発話速度の亢進 ———————— 筋萎縮性側索硬化症 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 発話速度の亢進 —————————— 筋萎縮性側索硬化症 筋萎縮性側索硬化症(ALS)は弛緩性と痙性の運動障害を合併する混合型構音障害で、発話速度は低下(鼻腔共鳴による開鼻声や気息性嗄声で明瞭度維持のため遅くなる)が特徴です。発話速度の亢進はハンチントン病などの不随意運動疾患で見られます。 --- 【各選択肢の解説】 1. 声量の低下 —————————— 重症筋無力症 ✅ 正しい。重症筋無力症は神経筋接合部の障害で、反復運動により筋力が低下する疲労性が特徴です。発話に伴う声量の低下が顕著で、会話が長くなると声が小さくなります。 2. 語音の延長 —————————— ハンチントン病 ✅ 正しい。ハンチントン病は不随意運動(舞踏病様運動)による構音障害で、語音が延長・歪曲される傾向にあります。コントロール不能な動きが音声に反映されます。 3. イントネーションの平板化 ——— パーキンソン病 ✅ 正しい。パーキンソン病は運動低下性構音障害で、音韻産生筋(呼気筋・喉頭筋・調音器官)の動きが低下します。結果として抑揚がなくなり、単調な音声(モノトーン)になります。 4. アクセントの不規則な変化 ——— 脊髄小脳変性症 ✅ 正しい。脊髄小脳変性症は失調性構音障害であり、小脳の協調性障害により発話が断綴性(スキャニングスピーチ)になり、アクセント・強弱が不規則に変動します。 5. 発話速度の亢進 ———————— 筋萎縮性側索硬化症 ❌ 誤り。ALSは弛緩性(下位運動ニューロン障害)と痙性(上位運動ニューロン障害)の混合型構音障害です。弛緩性成分により開鼻声・気息性嗄声が生じ、これらの症状により明瞭度維持のため発話速度は低下します。発話速度亢進はハンチントン病など不随意運動疾患の特徴です。 --- 【試験対策ポイント】 運動障害性構音障害の主要症状(Mayo分類) | 障害型 | 原因疾患 | 主要音声症状 | 発話速度 | |---|---|---|---| | 痙性 | 脳卒中(両側)、脳性麻痺 | 努力性嗄声・硬化声 | 低下 | | 弛緩性 | ALS、球麻痺 | 開鼻声・気息性嗄声 | 低下 | | 失調性 | 脊髄小脳変性症 | 断綴性・強弱不規則 | 低下〜不規則 | | 運動低下性 | パーキンソン病 | 単調・小声 | 低下→加速 | | 不随意運動型 | ハンチントン病 | 語音延長・歪曲 | 亢進傾向 | | 混合型 | ALS | 弛緩性+痙性併存 | 低下 | キーワード: - ALS=混合型=発話速度低下(「亢進」は誤り) - ハンチントン病=不随意運動=発話速度亢進・語音延長 - パーキンソン病=抑揚欠如(イントネーション平板化)・加速現象 - 脊髄小脳変性症
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