第26回 言語聴覚士国家試験 第187問
吃音第26回
獲得性吃音の特徴はどれか。
- 1.適応効果が高い。
- 2.予期不安がない。 ✓
- 3.環境要因の影響を受けやすい。
- 4.中枢神経系疾患には随伴しない。
- 5.心理的コンプレックスが生じやすい。
正答:2番
解説
# 第26回 第187問 解説
■ 正答:2番 — 予期不安がない。
獲得性吃音は脳損傷・脳血管障害などの中枢神経系疾患や心因性要因により、主に成人期以降に急激に発症する吃音です。発達性吃音のように幼少期から長年にわたり吃音を経験していないため、特定の語や場面に対する**予期不安が乏しい**ことが大きな特徴です。
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【各選択肢の解説】
1. 適応効果が高い。
❌ 誤り。適応効果(同じ文章を繰り返し読むと吃音頻度が減少する現象)は**発達性吃音**の典型的特徴で、獲得性吃音では認められにくいとされています。
2. 予期不安がない。
✅ 正しい。獲得性吃音は発症が急激で、特定の音・語・場面に対する学習された不安(予期不安)が形成されていないため、発達性吃音と比べ予期不安がないか著しく乏しいのが特徴です。
3. 環境要因の影響を受けやすい。
❌ 誤り。環境要因(聞き手・場面・心理的緊張など)の影響を受けやすいのは**発達性吃音**の特徴です。獲得性吃音は神経学的病変に基づくため、場面による変動が少なく、どのような状況でも一貫して症状が現れやすいとされています。
4. 中枢神経系疾患には随伴しない。
❌ 誤り。獲得性吃音の代表的な原因は**脳血管障害・頭部外傷・脳腫瘍・パーキンソン病**などの中枢神経系疾患であり、むしろ随伴することが定義的特徴です。
5. 心理的コンプレックスが生じやすい。
❌ 誤り。長年の吃音経験による回避行動や劣等感(心理的コンプレックス)は**発達性吃音**に顕著です。獲得性吃音は発症から時間が浅いことが多く、コンプレックスは形成されにくいとされています。
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【試験対策ポイント】
**発達性吃音 vs 獲得性吃音**の鑑別は頻出。
| 項目 | 発達性吃音 | 獲得性吃音 |
|---|---|---|
| 発症時期 | 幼児期(2〜5歳) | 成人期に急激発症 |
| 原因 | 多因子(素因+環境) | 中枢神経系疾患・心因性 |
| **適応効果** | **高い** | 低い |
| **予期不安** | **強い** | **乏しい/なし** |
| **環境要因の影響** | **受けやすい** | 受けにくい(一貫性あり) |
| 随伴症状・回避行動 | 多い | 少ない |
| 心理的コンプレックス | 形成されやすい | 形成されにくい |
覚え方:獲得性吃音は「**急に・一貫して・不安なく・神経疾患に伴って**」出現する。発達性吃音に典型的な心理的・環境的特徴(適応効果・予期不安・環境変動・コンプレックス)は**すべて当てはまらない**と整理すると選択肢を絞りやすい。