STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第26回 言語聴覚士国家試験 第188問

吃音第26回
言語的随伴刺激を用いる吃音の訓練方法はどれか。
  1. 1.吃音緩和法
  2. 2.認知行動療法
  3. 3.流暢性形成訓練
  4. 4.リッカムプログラム ✓
  5. 5.メンタルリハーサル法

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — リッカムプログラム リッカムプログラムは、親が子どもの流暢な発話に対して正の強化(言語的随伴刺激)を与えることで、流暢性を高める行動療法的アプローチです。親の言語的フィードバックが治療の中核となるため、言語的随伴刺激を用いる訓練方法の代表です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 吃音緩和法 ❌ 誤り。緩和法は「ゆっくり話す」「呼吸をコントロールする」などの技法を用いた非言語的アプローチです。随伴刺激(報酬やフィードバック)ではなく、発話技能そのものの修正に焦点を当てます。 2. 認知行動療法 ❌ 誤り。認知行動療法は、吃音に対する不安や回避行動などの認知的側面にアプローチする方法です。言語的随伴刺激による強化原理ではなく、思考パターンの改変が主体です。 3. 流暢性形成訓練 ❌ 誤り。流暢性形成訓練は、非吃音的な発話パターン(呼吸・声道設定・音の繋ぎ)を直接教える技能訓練です。親の言語的フィードバックではなく、セラピストによる直接的な音声トレーニングが中心です。 4. リッカムプログラム ✅ 正しい。オーストラリアのSheridanらが開発した親訓練プログラムで、親が子どもの流暢な発話に対して即座に言語的褒賞(「上手にできたね」など)を与えることで、流暢性を強化する古典的条件づけ的アプローチです。言語的随伴刺激の典型です。 5. メンタルリハーサル法 ❌ 誤り。メンタルリハーサルは、困難な場面を心理的に想像・シミュレーションすることで、不安軽減や対処能力を高める心理療法的手法です。言語的随伴刺激ではなく、想像的・認知的アプローチです。 --- 【試験対策ポイント】 吃音訓練の分類表: | 訓練方法 | 主な特徴 | 随伴刺激 | |---|---|---| | リッカムプログラム | 親が流暢な発話を褒める・強化 | 言語的 | | 流暢性形成訓練 | 呼吸・音の繋ぎなど技能を直接教授 | なし(直接指導) | | 吃音緩和法 | ゆっくり話す・リラックス等の技法 | なし(技能習得) | | 認知行動療法 | 不安・回避の認知的改変 | なし(認知的) | | メンタルリハーサル | 場面想像による心理的準備 | なし(心理的) | キーワード: - 「言語的随伴刺激」=親や他者の「言葉による」肯定的フィードバック - リッカムプログラムは「親訓練」が特徴(セラピストが親に指導) - 親の言語的褒賞による行動強化原理が本質 紛らわしい点: - 流暢性形成訓練も「流暢な発話」を目指すが、技能教授であり言語的強化ではない - 認知行動療法も言語を用いるが、「随伴刺激」(報酬・フィードバック)ではなく認知再構成が主体
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