第26回 言語聴覚士国家試験 第190問
小児聴覚障害第26回
ろうベースの視覚聴覚二重障害のある成人に使用するコミュニケーションモードで誤っているのはどれか。
a.手のひら書き
b.指文字
c.触手話
d.読話
e.指点字
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — d.読話,e.指点字
ろうベースの視覚聴覚二重障害者は、手話・指文字など「手を用いた触覚的コミュニケーション」が基本になります。読話と指点字は、視覚障害の存在により使用が困難または不適切なため、このグループには不適切なモードです。
---
【各選択肢の解説】
a. 手のひら書き
✅ 正しい。相手の手のひらに指で文字を書くことで、視覚聴覚二重障害者と意思疎通できる。触覚を活用した基本的コミュニケーション手段。
b. 指文字
✅ 正しい。相手の手に自分の手指で指文字を表示する触覚的手段。ろうベースの二重障害者の重要な言語資源。音韻文字体系を活用。
c. 触手話
✅ 正しい。相手の両手を自分の手で包み込みながら手話を表現する触覚的手段。ろうベースの二重障害者向けの高度なコミュニケーション手段として確立されている。
d. 読話
❌ 誤り。読話は唇の動きを視覚的に認識する方法であり、視覚障害がある二重障害者には使用不可。視覚を必要とするため不適切。
e. 指点字
❌ 誤り。指点字はブライユ点字を指の上で感じ取るが、これはベースが盲ろう者(盲ベース)向けのコミュニケーション手段。ろうベースの二重障害者の基本言語リソースとしては一般的でない。
---
【試験対策ポイント】
【ろうベース vs 盲ベースの視覚聴覚二重障害】
| コミュニケーション手段 | ろうベース | 盲ベース |
|---|---|---|
| 手のひら書き | ✅ | ✅ |
| 指文字(触覚的) | ✅ | ◎ |
| 触手話 | ✅ | △ |
| 読話 | ❌(視覚不可) | ✅ |
| 指点字 | △(一般的でない) | ✅ |
| 口話(手をとって振動で) | △ | △ |
【キーワード】
• ろうベース:手話が母語→触覚的手話・指文字が基本
• 盲ベース:日本語が母語→指点字・手のひら書きが基本
• 触覚的コミュニケーション=二重障害の要(視覚と聴覚両方が機能しない)
• 読話・指点字は「一方の感覚に依存する」ため不適切