STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第26回 言語聴覚士国家試験 第191問

聴力検査第26回
前庭脊髄反射を評価する検査はどれか。 a.遮眼書字検査 b.回転刺激検査 c.温度刺激検査 d.フレンツェル眼鏡検査 e.前庭誘発筋電位(VEMP) 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — a,e 前庭脊髄反射(vestibulospinal reflex)は、前庭器官からの信号が脊髄の運動ニューロンに直接作用して、姿勢筋を制御する反射です。遮眼書字検査と前庭誘発筋電位(VEMP)は、この前庭脊髄反射の機能を直接評価する検査であり、体幹・四肢の筋活動の変化を測定します。一方、回転刺激検査・温度刺激検査・フレンツェル眼鏡検査は前庭動眼反射(眼球運動)を評価する検査であり、脊髄ではなく眼筋への反応を見ています。 --- 【各選択肢の解説】 a. 遮眼書字検査 ✅ 正しい。眼を閉じた状態で字を書かせる検査で、前庭脊髄反射による姿勢制御の異常(傾斜・偏書)を評価します。前庭機能低下があると紙面上で字が傾いたり下降したりします。脊髄への前庭入力が評価できる代表的な検査です。 b. 回転刺激検査 ❌ 誤り。回転刺激は前庭動眼反射(VOR:vestibulo-ocular reflex)を評価する検査であり、眼球運動の応答を測定します。脊髄反射ではなく眼筋反応を見ているため、前庭脊髄反射の評価には該当しません。 c. 温度刺激検査 ❌ 誤り。カロリック検査とも呼ばれ、前庭動眼反射を評価して眼振の有無・方向を調べる検査です。これも前庭脊髄反射ではなく眼筋反応の評価であり、前庭器官の機能低下(一側性・両側性)を判定します。 d. フレンツェル眼鏡検査 ❌ 誤り。眼振を観察するための検査器具で、前庭動眼反射による眼球運動の異常を視覚的に評価します。脊髄筋への反射ではなく、眼球運動の変化を見ているため、前庭脊髄反射の評価対象外です。 e. 前庭誘発筋電位(VEMP) ✅ 正しい。VEMPは下肢筋(腓腹筋等)の筋電図活動を記録する検査で、前庭脊髄反射の経路(前庭核→脊髄→運動ニューロン→筋)の機能を電気生理学的に評価します。音刺激や振動刺激により反射性筋活動を誘発します。 --- 【試験対策ポイント】 前庭反射の2つの系統を必ず区別する: | | 前庭動眼反射(VOR) | 前庭脊髄反射(VSR) | |---|---|---| | 反射経路 | 前庭核→眼運動核→眼筋 | 前庭核→脊髄→体幹・四肢筋 | | 評価される部位 | 眼球運動 | 姿勢・筋活動 | | 代表的検査 | 回転刺激・温度刺激・フレンツェル眼鏡 | 遮眼書字検査・VEMP | | 機能 | 目を安定化 | 姿勢制御 | キーワード: - 遮眼書字検査→紙面の傾斜・偏書を見る→脊髄の姿勢制御 - VEMP→筋電図で反射的筋活動を記録→脊髄運動ニューロンの活動 - 回転刺激・温度刺激・フレンツェル→すべて「眼振」を見る→動眼反射
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