第26回 言語聴覚士国家試験 第28問
心理測定法第26回
質問紙法で用いる質問項目を作成する上で適切でないのはどれか。
- 1.質問の意味を明確にする。
- 2.自然で平易な表現を用いる。
- 3.一般的質問と個人的質問とを区別する。
- 4.心理的負担がかかる質問は必然性がない限り避ける。
- 5.複数の事柄を1つの項目で尋ねるようにする。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 複数の事柄を1つの項目で尋ねるようにする
質問紙法の項目作成において、1つの項目は1つの事柄のみを尋ねるのが原則です。複数の事柄を混在させると、回答者がどの事柄に対して回答しているのか不明確になり、信頼性と妥当性が低下します。これを「複合項目の回避」と呼びます。
---
【各選択肢の解説】
1. 質問の意味を明確にする
✅ 正しい。質問項目の意味が曖昧だと、回答者の解釈にばらつきが生じ、測定精度が低下します。明確性は質問項目作成の基本原則です。
2. 自然で平易な表現を用いる
✅ 正しい。過度に難解な語彙や複雑な文法構造を避け、対象者の理解度に適した表現を用いることで、回答の正確性が向上します。
3. 一般的質問と個人的質問とを区別する
✅ 正しい。両者を明確に区別することで、回答者が混乱せず、意図した情報を正確に収集できます。項目の位置づけが明確になることも利点です。
4. 心理的負担がかかる質問は必然性がない限り避ける
✅ 正しい。倫理的配慮と回答率維持の観点から重要です。回答者の心理的負担を最小限にすることは、質問紙法の実施原則です。
5. 複数の事柄を1つの項目で尋ねるようにする
❌ 誤り。これは「複合項目」と呼ばれ、項目作成において最も避けるべき手法です。例えば「職場の人間関係は良好で、給与に満足していますか」という項目では、人間関係と給与の2つが混在しており、どちらに対する回答なのか不明確になります。
---
【試験対策ポイント】
【質問紙法の項目作成:重要原則】
1つの項目=1つの事柄(単一性の原則)
├─ 複合項目は回答の曖昧性↑
├─ 信頼性・妥当性の低下
└─ 分析時の混乱につながる
【適切な項目の7つの条件】
• 意味が明確(曖昧さなし)
• 表現が平易(専門用語回避)
• 単一性(1項目1事柄)
• 適切な長さ(過度に長くない)
• 中立的(誘導的でない)
• 一般性と個人性の明確化
• 倫理的配慮(心理的負担最小化)
【紛らわしい概念との区別】
「複数の選択肢」≠「複数の事柄を混在」
→ 複数選択肢は許容。複数事柄の混在は違反