第26回 言語聴覚士国家試験 第32問
臨床心理学第26回
葛藤や罪悪感を正当化するために社会的に承認されそうな理由づけをすることはどれか。
- 1.合理化 ✓
- 2.退行
- 3.昇華
- 4.抑圧
- 5.転移
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 合理化
無意識の葛藤や罪悪感を、社会的に受け入れられやすい、もっともらしい理由で正当化する心理防衛機制です。本当の動機を隠し、より適切に見える説明を自分に与えることで、不安や罪悪感から心を守ります。
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【各選択肢の解説】
1. 合理化
✅ 正しい。問題文の「社会的に承認されそうな理由づけ」が合理化の定義そのものです。例:不正行為を「みんなやっている」と正当化する、失恋を「相手が悪かった」と説明するなど、実際の理由ではなく"もっともらしい理由"を後付けします。
2. 退行
❌ 誤り。ストレスに直面した際に、以前の発達段階の行動様式に戻す防衛機制です。例:大人が子どものように甘えたり、わがままになったりする。理由づけではなく行動的後退です。
3. 昇華
❌ 誤り。受け入れられない欲求やエネルギーを、社会的に価値のある活動に転換する防衛機制です。例:攻撃欲求をスポーツに向ける。理由づけではなく、動機そのものの転換です。
4. 抑圧
❌ 誤り。不安や葛藤そのものを無意識下に押し込める防衛機制です。「思い出せない」という状態であり、理由づけ(言語化)が起こりません。合理化は抑圧されているものを言語化する点で異なります。
5. 転移
❌ 誤り。本来向けるべき感情(多くは治療場面では分析医への)を、他の対象に向け替える防衛機制です。例:親への怒りをセラピストに向ける。理由づけではなく感情の対象変更です。
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【試験対策ポイント】
防衛機制の分類と特徴:
| 防衛機制 | 特徴 | 例 |
|---|---|---|
| 合理化 | もっともらしい理由づけ(理由は偽り) | 失敗を「運が悪かった」と言い張る |
| 抑圧 | 不安な記憶・感情を無意識に押し込める | トラウマを「思い出せない」 |
| 退行 | より幼い発達段階の行動に戻す | ストレスで赤ちゃん返り |
| 昇華 | 欲求を社会的価値ある活動に転換 | 怒りをアート制作に向ける |
| 転移 | 本来の対象から別の対象へ感情をシフト | 親への怒りをセラピストに向ける |
| 投影 | 自分の否定的特性を他者に見る | 自分の嫌悪感を他人に感じる |
| 同一化 | 他者になりきる防衛 | 理想の人物のように振る舞う |
合理化の重要な特徴:「理由は後付けで嘘だが、本人は信じている」→自分も他者も納得させる説得力が要点