第26回 言語聴覚士国家試験 第61問
失語症第26回
生活期の失語症者への言語聴覚士の関わりとして適切でないのはどれか。
a.患者会を紹介する。
b.ICF の活動・参加を支援する。
c.言語機能面への介入は避ける。
d.重度例では主に家族とやり取りする。
e.全般的認知機能を維持する働きかけを行う。
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — b, c
生活期の失語症者への関わりは、言語機能への継続的介入、ICFに基づいた活動・参加の支援、認知機能維持が重要です。一方、重度例でも患者本人とのコミュニケーションを優先し、言語機能面の介入を避けることは誤った対応です。
---
【各選択肢の解説】
a. 患者会を紹介する。
✅ 正しい。患者会への参加は、失語症者の社会参加・心理的サポート・情報共有の場となり、生活期の支援として適切です。
b. ICFの活動・参加を支援する。
✅ 正しい。生活期の失語症者支援は、身体機能の改善だけでなく、ICFの「活動・参加」レベルの支援が中心となります。職業復帰・趣味・社会参加など、生活の質向上を目指すことが重要です。
c. 言語機能面への介入は避ける。
❌ 誤り。生活期であっても言語機能の改善は可能であり、「言語機能面への介入を避ける」という考え方は不適切です。急性期と異なり介入の密度は低くなりますが、継続的な言語機能への働きかけは重要です。
d. 重度例では主に家族とやり取りする。
❌ 誤り。重度失語症であっても、患者本人とのコミュニケーション確保が基本です。家族とのやり取りのみに頼ることは、患者の自己決定権や尊厳を損なう対応です。複数の代替コミュニケーション手段を用いながら患者本人との関わりを優先すべきです。
e. 全般的認知機能を維持する働きかけを行う。
✅ 正しい。生活期では認知機能の低下防止が重要です。学習プログラムや認知トレーニングを通じて、認知機能の維持・向上を図ることが生活の質向上につながります。
---
【試験対策ポイント】
生活期失語症支援の 基本方針
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| 言語機能 | 介入を避けない(継続的改善は可能) |
| ICF | 活動・参加レベルの支援が中心 |
| コミュニケーション | 患者本人とのやり取りを優先 |
| 認知機能 | 維持・向上を目指した働きかけ |
| 心理社会的支援 | 患者会紹介・家族支援を含む |
重度失語症での対応のポイント
- 家族とのやり取りのみに頼らない
- 代替コミュニケーション手段の活用
- 選択肢法・イエス/ノー確認など、患者自身の意思確認を工夫
- 患者の自己決定権の保障
頻出否定知識
- 生活期=言語機能の介入不要ではない
- 重度例=家族経由でよいという考え方は誤り