第26回 言語聴覚士国家試験 第62問
高次脳機能障害第26回
道具使用が保たれるのはどれか。
a.視覚性失認
b.視覚性失語
c.意味記憶障害
d.観念性失行
e.触覚性失認
1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — a,b,e(視覚性失認、視覚性失語、触覚性失認)
道具使用が保たれるかどうかは、「物体の機能や使い方を理解しているか」と「実際に手指で動作を実行できるか」で判断します。視覚性失認、視覚性失語、触覚性失認では知覚経路や表出経路の障害であり、対象物の機能理解と運動実行は保たれます。一方、観念性失行は道具の機能理解そのものが失われるため、道具使用は障害されます。意味記憶障害でも物体の機能知識が失われるため道具使用は困難になります。
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【各選択肢の解説】
a. 視覚性失認
✅ 正しい。視覚情報の認識経路の障害であり、視触覚や言語を通じて物体を認識すれば、その機能理解と使用は可能です。例:視覚で認識できない鍵でも、手で触れて「冷たい金属」と判断すれば使用できます。
b. 視覚性失語
✅ 正しい。視覚刺激に対する言語表出が困難な状態であり、物体の機能理解自体は保たれています。実際に道具を手に取って使用することは可能です。
c. 意味記憶障害
❌ 誤り。意味記憶は「物体の概念・機能・カテゴリーに関する知識」を司ります。これが障害されると、フォークが「食べるための道具」という意味を失い、道具使用は著しく困難になります。
d. 観念性失行
❌ 誤り。観念性失行は「道具の機能的な使用順序や文脈的な使用方法が分からない」状態です。例:歯ブラシを見ても「どうやって使うのか」という動作計画が障害され、異なる身体部位に当てたり、逆向きに使ったりします。道具使用は顕著に障害されます。
e. 触覚性失認
✅ 正しい。触覚で物体の形態認識が困難でも、視覚や他の情報経路(言語指示など)から機能を理解できれば、道具使用は可能です。実際に手指を操作する運動能力は保たれています。
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【試験対策ポイント】
観念性失行と意味記憶障害を区別するキーポイント:
| 障害部位 | 知覚 | 機能理解 | 運動実行 | 道具使用 |
|---------|------|---------|---------|---------|
| 視覚性失認 | 視覚経路障害 | 保持(他感覚で補完可) | 保持 | 保持 |
| 意味記憶障害 | 保持 | 喪失(物体の意味が分からない) | 保持 | 障害 |
| 観念性失行 | 保持 | 保持(形は分かる) | 保持だが「使い方の順序」が分からない | 障害 |
| 観念運動失行 | 保持 | 保持 | 命令時のみ不可(目的行動は可) | 保持 |
記憶すべき仕組み:
- 失認:「見えるが分からない」→ただし機能理解は別経路で可能
- 失語:「見えて分かるが、言葉が出ない」→使用は可能
- 失行:「見えて分かるが、動作ができない(または動作の順序が分からない)」
- 観念性失行:失行の中で「道具操作の意味的な順序」が特に障害
頻出の落とし穴:
「観念性失行=運動がぎこちない」という誤解。実は「動作の意味・文脈的な計画」の障害なので、単純な手指運動は可能だが、道具の「段階的・目