STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第26回 言語聴覚士国家試験 第73問

言語発達障害学第26回
ソーシャルスキル・トレーニングの技法でないのはどれか。
  1. 1.教示
  2. 2.般化
  3. 3.ミラリング ✓
  4. 4.リハーサル
  5. 5.フィードバック

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — ミラリング ソーシャルスキル・トレーニング(SST)は、社会的相互作用に必要なスキルを習得・改善させる行動療法的アプローチです。正答の「ミラリング」は、クライエントの動作や行動を治療者が模倣する技法であり、これはSSTの主要技法ではなく、むしろ乳幼児の発達支援や関係構築の初期段階で用いられる共感的介入です。一方、1・2・4・5はいずれもSSTの基本的かつ重要な技法です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 教示 ✅ 正しい。SSTの基本技法です。対象者に社会的スキルの具体的なやり方や重要性を言葉で説明する技法で、モデリングやロールプレイの前段階として機能します。 2. 般化 ✅ 正しい。SSTの最重要技法の1つです。訓練場面で習得したスキルを、実生活の様々な場面や対人関係に転移・適用させることを目標としています。般化を意識しない訓練は実用性に乏しいため、極めて重要です。 3. ミラリング ❌ 誤り。SSTの技法ではありません。ミラリングは治療者がクライエントの身振り・表情・声調などを意図的に反映(鏡のように映す)する共感的技法で、主に乳幼児との相互作用促進や初期治療関係の構築に用いられます。SSTとは理論的背景が異なります。 4. リハーサル ✅ 正しい。SSTの核となる技法です。ロールプレイを通じて、実際の対人場面を想定した練習を行い、スキルを習得・強化します。治療者や他の参加者を相手に繰り返し練習することで定着を図ります。 5. フィードバック ✅ 正しい。SSTの重要な強化手段です。リハーサル後、対象者の言語・非言語行動に対して具体的かつ建設的なフィードバックを提供し、良好な行動を強化し改善点を明示します。 --- 【試験対策ポイント】 SST(ソーシャルスキル・トレーニング)の基本技法 | 技法 | 機能 | 使用場面 | |---|---|---| | 教示 | スキルの説明・理解 | 導入段階 | | モデリング | 示範(見本提示) | 導入・学習段階 | | リハーサル | ロールプレイ演習 | 中核段階 | | フィードバック | 強化・修正 | 全段階 | | 般化訓練 | 実生活への転移 | 終了段階 | ミラリングとの違い ミラリング:相手の行動を無意識的に「映す」→親子相互作用促進・共感形成 SST:意識的に「教える・練習・強化する」→スキルの段階的習得 ST国試では「SSTに含まれない技法」と「SSTの技法」を明確に区別する問題が頻出です。ミラリングは関連領域(発達支援・カウンセリング)で用いられることはありますが、行動療法的なSST体系には含まれません。
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