STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第26回 言語聴覚士国家試験 第74問

言語発達障害学第26回
カウンセリングマインドをもって保護者にかけることばとして適切でないのはどれか。
  1. 1.今日はよく来てくださいました。
  2. 2.お話ができないことがご心配なのですね。
  3. 3.私の言う通りにしていれば大丈夫ですよ。 ✓
  4. 4.よくお子さんのことを見ていらっしゃいますね。
  5. 5.今日はよくできたと思いますが、いかがでしょうか。

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — 私の言う通りにしていれば大丈夫ですよ。 この表現は「専門家の指示に従うことが唯一の解決策」という一方的で権威的なメッセージを伝えており、カウンセリングマインドの基本である「保護者の自主性の尊重」「共同の問題解決」「対等な協働関係」に反しています。カウンセリングマインドでは、保護者の気付きや判断を促し、自己決定を支援することが重要です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 今日はよく来てくださいました。 ✅ 正しい。来院してくれたことへの感謝と肯定的な評価を伝え、保護者を尊重する姿勢を示す表現です。初期ラポール形成に有効です。 2. お話ができないことがご心配なのですね。 ✅ 正しい。保護者の感情や懸念を「反映的理解」で返す表現です。カウンセリングの基本技法であり、保護者が「理解されている」と感じることで信頼関係が構築されます。 3. 私の言う通りにしていれば大丈夫ですよ。 ❌ 誤り。権威的で指示的であり、保護者の主体性を奪う表現です。保護者が問題解決の過程で学び、成長する機会を失わせます。また「大丈夫」という根拠不明の保証は専門家倫理にも反します。 4. よくお子さんのことを見ていらっしゃいますね。 ✅ 正しい。保護者の観察力・気付きを承認し、親としての能力を肯定する表現です。保護者のストレングスに焦点を当てるカウンセリングマインドの典型例です。 5. 今日はよくできたと思いますが、いかがでしょうか。 ✅ 正しい。セラピスト側の評価を提示しつつ「いかがでしょうか」で保護者の意見も求める、協働的な表現です。保護者の気付きを引き出す開かれた質問です。 --- 【試験対策ポイント】 カウンセリングマインドの5要素と対応する表現 | 要素 | 該当選択肢 | 説明 | |---|---|---| | 傾聴・共感 | 2番 | 保護者の感情を理解し言語化して返す | | ラポール形成 | 1番 | 来院への感謝、肯定的態度 | | 保護者のストレングス認識 | 4番 | 強みや努力を承認 | | 協働性・主体性尊重 | 5番 | 専門家と保護者が対等に問題を解く | | 権威的・指示的:禁止 | 3番 | 一方的指示、根拠不明の保証 | 押さえるべき「不適切な言葉」 - 「〜すれば大丈夫」:確実な保証はできない - 「私に従う」「正解はこれ」:保護者の自己決定権を侵害 - 「できていない」を指摘のみ:保護者が無力感を抱く - 「あなた(保護者)が悪い」という暗黙の評価
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